鳥取県/澤田 寿和
鳥取県では、平成16年11月までに畜産農家の野積み等を解消するためたい肥舎 等の整備が進められている。 県内には、現在1,300戸あまりの畜産農家があるが、家畜排せつ物法の管理基 準の適用となる農家は550戸で、そのうち不適切な処理農家は4割強あり、施設整 備の推進が必要である。 このような中、鳥取県では畜産関係機関が一体となり施設整備の推進だけでな く、環境対策へ総合的な支援を行っており、今回その取り組みを紹介する。 @環境アドバイザー 県内には現在35名のアドバイザーが活躍しているが、特に地方機関の振興局に 重点的にアドバイザーを配置し農家の相談・指導に当たっている。 今年度はさらに10名程度受講し指導体制を強化する予定である。 A環境技術研究会 昨年秋に研究会が発足し、畜産環境対策に幅広く対応するため、ふん尿処理の 新技術の調査や優良事例等情報の共有化、試験課題の企画等を行っている。 今年度は、各業者のふん尿処理のプレゼンテーションを行い、現場指導に役立 てる予定である。 Bたい肥生産・利用実証ほ 今後、たい肥生産に合わせてたい肥の利用推進が不可欠であるが、昨年から県 内各普及所でたい肥生産・及びたい肥利用の実証ほを設置している。 担当普及員が畜産農家においてたい肥舎でたい肥化試験を、また耕種農家にお いてはたい肥の利用試験を行い、現場でのデータを取り指導に役立てている。 C畜産農家のたい肥分析 たい肥の成分や品質評価が知りたいとの農家の声に応えて中小家畜試験場がた い肥の分析を始めた。13年度は年間60検体の分析を行う予定であるが、成分分析 だけではなく品質評価を行うとともに普及所と連携して畜産農家のたい肥生産指 導を行なう。 D「土着菌」の実証試験 鳥取県は、畜舎やたい肥処理過程での臭い対策として今年度から新たに「土着 菌」の実証試験に着手する予定である。 畜産環境対策は、施設を整備するだけで解決するものではない。鳥取県でも今 年度からたい肥共励会を開催し、たい肥生産技術の向上とたい肥の利用を推進し ていくこととしているが、今後も関係機関が各自の情報を交換・共有し、畜産農 家を支援していくことが必要である。
【たい肥の利用推進策が不可欠】 |
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【関係機関のたい肥品質評価の研修会】 |