◎地域便り


養豚経営の安定的発展に向けての熱い戦い
(第20回県豚バローショー)

栃木県/塚原 均


 栃木県の畜産は、これまで首都圏における畜産物の重要な供給基地として着実
に発展してきた。特に養豚においては、全国的な飼養頭数の減少傾向の中にあっ
て、着実に飼養頭数を伸ばし、全国10位の地位を維持している。県内にいくつか
ある養豚団体の中で栃木県養豚経営者会議(矢野幸男会長、会員48人、以下県豚
という。)は、設立当初から養豚経営の法人化や自家配合飼料の重要性を認識し、
養豚経営技術研さんのための研究・研修会を積極的に開催するなど、本県養豚業
界全体をけん引している集団である。

 その県豚が、肉豚改良のための選抜技術の向上と消費者ニーズにあった生産性
の高い豚肉生産について知識・能力を深め、技術研さんを積むことによって養豚
経営の安定的発展を図ることを目的とした「第20回県豚バローショー」が、宇都
宮地方食肉卸売市場で開催された。

 第20回県豚バローショーは、出品豚の生体における一般外貌や資質を競う生体
審査、生産者の肥育豚の選抜眼の養成と審査力を競うジャッジングコンテスト及
び枝肉審査で構成され、当日は、89頭の去勢豚が出品され、約80名の生産者等が
集結した。

 ジャッジングコンテストは、審査委員長にグローバルピッグファーム代表取締
役の赤地勝美氏を迎え、1組4頭の肥育豚の順位を決定する方法で実施され、参
加者は、これまで培った肥育技術・選抜眼を駆使してコンテストに取り組み、自
分の採点と審査結果とを見比べながら、審査委員長のコメントに傾聴し、一喜一
憂していた。

 生体審査では、大柿清氏、枝肉審査では、大垣佳昭氏の出品豚がそれぞれ最優
秀賞を受賞した。枝肉審査の講評にたった児玉等氏(日本食肉格付協会宇都宮事
務所長)は、「全体として、斉一性が高く、外観、肉質の良好な枝肉が散見され、
大変喜ばしい結果であり、今後も質の高い肉豚生産を維持してもらいたい。」と
述べ、出品された肥育豚の質と県豚会員の肥育技術をたたえた。

 最後に矢野会長は、「出品豚の品質、参加者の鑑定水準に確実な向上が感じら
れた大会であった。」と結んだ。
【赤地審査員長による生体審査】


    
【ジャッジングコンテスト】

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