長野県/農政部畜産課
長野県では、財団法人畜産環境整備機構との共催により、8月30日に松本市の 長野県松本合同庁舎において「長野県たい肥生産利用促進シンポジウム」を開催 した。参集者は、たい肥の生産(畜産農家)、流通(たい肥流通業者)、利用 (耕種農家)に携わる関係者および、行政、普及、農協等の関係機関・団体の方 々で、環境と調和のとれた農業生産の確保を目指して、良質なたい肥の生産方法 や利用方法についての事例発表や講演等を行った。 事例発表では、信州うえだ農業協同組合から、農協の作物部会の要望・意見を 聞きながら、副資材の配合割合を調整して作物別にたい肥を製造し、耕種農家に 高く評価されている「塩田たい肥センター」の取組みと、上伊那農業協同組合か ら、昭和54年に設立以降、たい肥の円滑な流通と土づくりの推進に取り組んでい る「堆肥銀行」の活動内容についての発表があった。続いて、生物系特定産業技 術研究推進機構畜産工学研究部 主任研究員道宗直昭氏が「環境に配慮した適切 な家畜排せつ物処理技術について」と題して、たい肥生産の基礎的な知識ととも に、畜産の大きな課題である悪臭防止技術について講演を行った。さらには、 「問題解決討論」の中で、畜産経営に起因する環境問題の解決に向けての日頃の 悩みや相談等について、助言者からのアドバイスや参加者からの取り組み事例の 発表など、活発な意見交換・情報交換が行われた。 当日は、県内および近県から合わせて170名程の参加があり、たい肥利用に係 る耕畜連携の推進とともに、環境と調和した畜産業発展のための一助になったこ とと思われる。 なお、長野県では、畜産と耕種の連携強化により、たい肥の利用促進を図るた め、畜産農家はもとより行政と関係団体等が一体となって、平成12年8月30日に 「長野県堆肥生産利用促進協議会」が設立され、利用促進に係る活動が展開され てきている。今後においても、家畜排せつ物の処理施設等の整備に計画的に取り 組むとともに、当協議会の活動を一層充実し、環境と調和のとれた畜産の発展と 循環型社会の構築に取り組んでまいりたい。
【たい肥利用について、真剣な検討が 行われたシンポジウムの様子】 |