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(社)日本食肉格付協会の「格付結果の概要」によると、平成12年の格付頭数 は、987,420頭(0.4%)となった。全国のと畜頭数に占める格付頭数比率は一貫 して増加し76.1%となった。畜種別、性別に見ると、乳用牛去勢、その他の牛の めすおよびおすを除いて、前年を上回った。 12年の和牛去勢の格付結果は、格付頭数は前年に比べて1%増加したが、4、 5等級の比率は引き続き減少し、2、3等級で増加した(図1)。交雑種去勢で も2、3等級の、乳用牛去勢では、1、2等級の比率がそれぞれ増加し、低位等 級の比率が増加の傾向にある(図2、3)。 枝肉重量は、和牛去勢の枝肉平均重量は、434.1kgで前年に比べて2.5kg、交雑 種去勢で3.1kgとそれぞれ増加したが、乳用牛去勢は6.2kg減少した(図4)。
財務省は、7月31日、豚肉等の関税の緊急措置の発動日を8月1日とすること を告示した。これは平成13年4月から6月までの豚肉等の輸入量が189,955トン となり、あらかじめ財務省が告示した第1四半期の発動基準数量183,850トン (過去3年における当該期間中の平均輸入量の119%)を超えたため、関税暫定 措置法に基づき年度の残りの期間について、基準輸入価格を(WTO譲許水準に) 引き上げるものである。同措置の発動は、7年11月〜8年3月、8年7月〜9年 3月、9年4月〜6月に続いて4度目となる。 発動後の基準輸入価格は、以下のとおり。 ・枝肉 409.90円/kg→510.03円/kg ・部分肉 546.53円/kg→681.08円/kg 13年2月21日、英国で口蹄疫が発生し、その後EU諸国に被害が拡大したため、 3月24日、EU諸国からの豚肉等の輸入を一時停止した。このため冷凍品の輸入 先はデンマークから米国やカナダ等へシフトした。その後、デンマーク等一部の EU諸国からの輸入停止が4月25日に解除されたことから、先に手当てした米国、 カナダに加えECからの輸入が集中し急激な輸入増となったものとみられている。 12年12月以降、輸入品推定期末在庫量(未通関分を除く)は積み増しを続け6月 末では140,562トン(81.7%)となった。この緊急措置により今後は輸入量の減 少と、8月以降の在庫の取り崩しが進むこととなる。
鶏肉の輸入価格(CIF価格)の上昇が目立っている。7月末に財務省が公表 した「貿易統計」によると、鶏肉合計で平成13年6月の輸入価格が1キログラム 当たり177円と前年同月を8.9%上回った。品目別には上昇幅が大きいのは冷凍骨 付きもも肉で、1キログラム当たり136円(22.7%)となった。牛海綿状脳症 (BSE)・口蹄疫の影響でヨーロッパにおいて牛肉・豚肉から鶏肉に需要がシ フトし、タイ、ブラジル、米国等からEU向け輸出が増加していること、また、 最大の輸入相手国である中国からの輸入については、6月8日以降、同国におけ る鳥インフルエンザ発生から一時停止措置をとっていること、今年に入って、為 替が円安傾向で推移していることなどが輸入価格の上昇の原因とみられている。 農林水産省では中国産家きん肉輸入停止措置については、清浄性が確認されるま での間続けるとしていたが、8月7日、「鶏肉および七面鳥並びに家きん卵等」 についてはこれを解除した(その他の家きん肉および生きた家きん(初生ひな) については、継続)。今後の値動きが注目されるところである。(図6、図7)
公正取引委員会は、全国飲用牛乳公正取引協議会から認定申請のあった「飲用 牛乳の表示に関する公正競争規約」の一部変更を認定し、7月11日付けで告示し、 併せて「飲用牛乳の表示に関する公正競争規約施行規則」の一部変更を承認した。 主な変更内容等は以下のとおり。 1 規約等の主な変更内容 (1)「牛乳」文言の使用 種類別「牛乳」および「特別牛乳」(生乳100%使用のもの)のみ、「牛乳」 の文言を使用できることとした。 注:種類別とは、食品衛生法の規定に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関 する省令」(乳等省令)に定めるものをいう。 (2)生乳使用割合の表示 ア 「牛乳」、「特別牛乳」、「部分脱脂乳」および「脱脂乳」 一括表示欄に「原材料 生乳100%使用」の表示を行うよう義務付ける。 イ「加工乳」および「乳飲料」 一括表示欄に使用原材料を多い順に表示し、そのうち生乳については、「生乳 (50%以上)」または「生乳(50%)未満」と表示することを義務付ける(ただ し、生乳使用50%を境として区分できないやむを得ない事情がある場合は「生乳」 と表示する(公正取引協議会の事前承認が必要)。) このほか、生乳使用割合の表示を、一括表示欄以外に表示する場合の表示基準 を設定した。 2 施行日 この規約の変更は、平成13年7月11日から施行する。ただし、変更前の規定に 基づいて表示している容器等については、施行後1年間、使用することができる。 飲用牛乳等についての表示のあり方については、農林水産省畜産局(当時)が 生産者・乳業者・消費者・流通業者・学識経験者等の参画を得て開催した「飲用 牛乳等の表示のあり方等に関する検討会」で議論が交わされ、その改善方向につ いての提言が取りまとめられたところである(12年11月16日公表。畜産の情報 (国内編)2001年1月号参照)。 この提言を受け、全国飲用牛乳公正取引協議会の迅速な検討と「公正競争取引 規約等の一部変更」の認定申請が行われ、この度の「公正取引協議会による認定」 となったものである。なお、同規約および同規約施行規則については、公正取引 協議会ホームページ(http://www.jftc.go.jp/index.htm)を参照されたい。
株式会社全国液卵公社の「加工卵の流通調査」(GPセンター64ヵ所、加工専 門業者9社とりまとめ対象)によると、推計した平成12年の国内加工卵生産量 (殻付き換算)は、420,812トン(15.6%)と前年に比べかなり増加した。これ は12年の全国鶏卵出荷量2,446,321トンの17.2%を占め、この割合は増加傾向に ある。また、加工卵の輸入量は、円高等の影響から凍結卵(凍結卵白、凍結全卵、 凍結卵黄)がかなり増加し52,021トン(9.2%、殻付き換算)となった。そのた め、加工卵の総国内流通量(殻付き換算、国産+輸入)は472,833トン(14.9%) とかなり増加し、これまで最高であった8年の468,749トンを上回り過去最高と なった。加工卵は、製菓、製パン、乳製品、肉製品等の加工食品や医薬品の原料 として利用されているが、その用途も多様化しており、需要が伸びていることを 裏付けている。
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