北海道/門脇 潔
平成14年6月2日、北見市の公共牧場である北見市営本沢牧場において、「ふれ あい牧場」オープニングセレモニーがあいにくの雨にもかかわらず開催された。 今年は、北見市の周辺地域では春先からほとんど雨の降らない日が続き、小麦 や甜菜などの成育に影響が出ていたほどであったが、この日は、朝から曇り空。 何とかセレモニーが終わるまで降らずにいてくれればとの願いもむなしく、準備 を始めたころからぽつぽつと降り始め、来客者が徐々に集まりだしたころには次 第に雨足も強くなり、式典を開始したときには久々の本降りになっていた。 式典は、主催者である北見市長の「市民共通の財産として、これからはたくさ んの方に牧場を訪れていただきたい」との挨拶の後、たくさんの方からの祝辞が あり、北見市長はじめ色々な方々によるテープカットの後、75名の北見歩こう会 の方々が標高460メートルにある展望台へ向け出発し、オープニングセレモニー は終了した。 北緯43度、北海道の東に位置する北見市は人口11万人を超えるオホーツク圏最 大の中核都市である。 セレモニーの舞台である「北見市営本沢牧場」は、昭和27年、旧相内(あいの ない)村時代に乳牛の育成奨励を目的に国有林の払い下げを受けたのを起源とし、 翌々年の昭和29年より家畜の受け入れを開始、その後、草地の造成や人工授精施 設の整備などを行い、現在までに48年の歴史がある。 家畜の預託期間は、例年5月末から10月末までで、この5カ月の間、219ヘクタ ールの草地に牛が約300頭、馬が約50頭受け入れられている。 これまでは、牛や馬を預託している畜産農家が主な牧場の利用者であり、その 他は、春は山菜、秋はきのこの名所としてごく一部の市民に利用されていただけ であった。 もともと山坂がきつく、「入牧中に家畜の足腰が鍛えられる」のを売り文句に しているが、管理する側にとっては非常に厳しい地形である。 しかし山の上から眺める景色はすばらしく、この眺望と牛や馬が草を食む牧歌 的な風景を利用した市民の憩いの場としての「ふれあい牧場」として広く市民に 利用してもらうことはできないだろうかという構想を持ち、9年度から道営草地 畜産活性化事業により草地の造成・更新や牛の捕獲施設等の整備による本来の牧 場機能の向上と同時に、駐車場や展望台、遊歩道などの景観施設整備も行われ、 昨年5年間に渡る事業を終え、今回「ふれあい牧場」として新しいスタートをき った。 今後は、年に1度の「牧場まつり」の開催を通じて、広く市民に認知され、北 見市の新たな観光施設として末長く利用されることが期待される。
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【北見市関係者による テープカット】 |
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【ふれあい牧場の放牧地 で牧草を食む乳牛】 |