栃木県/矢野 雅之
平成13年9月に牛海綿状脳症(BSE)が日本で初めて千葉県で確認されて以来、 牛肉の消費の減退により価格は低下し、また、出荷自粛の要請が出されるなど、 畜産農家が大きな打撃を受けている。このような中で、10月18日からはすべての 出荷牛の検査体制が整い、安全が確認された牛肉だけが消費者に届けられるよう になったことは、大きな前進であり、一日も早い消費の回復と、価格の安定が望 まれるところである。 県では、BSE関連の緊急対策として、@県民への正確な情報提供、A生産者の 経営安定対策、B県民への安全な畜産物の供給という観点から、緊急に県独自の 対策を実施している。 さて、本県では、むらづくり運動の機運を高め、都市住民や消費者とのふれあ いによる農業・農村の理解促進と県産農産物PR活動の一環として、ふるさと栃木 フェアを毎年開催している。今年も宇都宮市のマロニエプラザにおいて、10月26 日〜28日の3日間にわたり開催した。この機会をとらえて、消費者に対してBSE に関する正しい知識の普及と、とちぎ和牛の消費拡大を図るため、とちぎ和牛の 試食会の開催と牛肉の安全性に関する相談コーナを開設した。試食用として用意 した牛肉は、10月18日にと畜されたBSE検査済みのとちぎ和牛(A5)で合計2,0 00食を用意した。試食開始予定の午前11時の30分前には多くの方が並んで、3日 間とも約1時間程度で配布が終了した。特に、初日には今回のとちぎ和牛の生産 者である鹿沼市の谷田部明氏からご挨拶をいただくなど、大いに牛肉の安全性と 消費拡大をアピールした。その際に、県で作成したパンフレットを併せて配布し、 牛肉の安全性のPR、BSEに関する正しい知識の普及を行った。試食された消費者 は、「こんなおいしい牛肉は初めてだ。」、「久しぶりに牛肉を食べた」、「検 査済みの牛肉なら安全だ」などと口々に述べていた。また、消費者からはBSEに 関する数多くの質問があり、これに1つ1つ答えて納得いただき、このようなこ とが大変重要であることを認識した。牛肉の安全性に対する信頼を回復には大変 時間と労力を有するが、今後も、このような消費者のイベント等においてPRを行 っていくことが必要であると痛感した。
【消費者あてBSE関連パンフレットを配布】 |
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【とちぎ和牛をほお張る幼児】 |