東京都/片桐 紀生
東京の若者の繁華街池袋のサンシャインシティ・インポートマートでニューフ ァマーズフェア2001が10月6日(土)に開催され、大人気を呼んだ。会場には一 見農業とは無関係の若い男女や学生の姿や子供連れの夫婦、転職を考えているサ ラリーマンやOL、中高年の人たちも訪れ、会場の各コーナーは終日相談者でにぎ わった。 主催者である全国農業会議所、全国新規就農相談センター、社団法人日本農業 法人会が農林水産省の後援を得て開催した。 社団法人酪農ヘルパー全国協会では、酪農ヘルパーへの就労希望者や就労のた めの事前の酪農体験実習希望者や新規就農希望者のための相談所を開設し、30名 近い相談者があった。中には、北海道で酪農実習の経験があるので、現在の仕事 をやめて酪農現場で酪農ヘルパーとして働きたいという女性もいた。 北海道からは陸別町の有限会社サンライズと湧別町の横山牧場の2つが求人コ ーナーに窓口を開設した。サンライズでは乳牛230頭を飼養しているが、さらに 経営規模を拡大するには農業や畜産経験の無い非農家出身者でも優秀であれば、 採用後の教育訓練で一人前になれるし、むしろ変な予断を持たないだけ素直に成 長するので構わないと明言する。コーナーには通常の一日の業務内容や入社まで のプロセスが分かりやすく掲示してあり、会社案内には給与条件、各種手当、労 災保険、雇用保険等の身分保障も明確に条件を提示。休日や休暇、住宅等も外部 からの雇用労働者を厚遇するという立場で整備している。就職希望者は周辺の生 活文化やアクセスに関心を持つ人が多く、沢山の就職希望者と面談ができたと喜 んでいた。 横山牧場は260頭を飼養する大型経営であるが、現在は2名の雇用労働力で経 営中である。優秀な人材さえそろえば酪農は事業として大きな利益を生み出す確 信があると相談者に語っていた。就労者達が地域経済の受け皿となるよう、離農 跡地への後継者として育成したいとの夢もあり、将来的には乳製品加工や観光農 場としての可能性もあると、牧場や周辺の写真を手に相談者にPRしていた。 北海道の酪農は家族労働力や自給粗飼料の確保などから、家族経営では限界に 近い状況である。一方、大規模経営も増加中で優秀な外部労働力の確保も大切で あるが、酪農経営者の高齢化もあり、担い手確保から新規就農を希望する若者の 受入れも重要である。今後は、ニューファーマーズフェアでの酪農家の求人コー ナーへの直接参加が増加するものと思われる。
【賑わった相談窓口】 |
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【ニューファーマーズフェア2001 の案内図の前で】 |