茨城県/山本 敏弘
茨城県八郷町にある茨城県畜産センターにおいて、平成13年11月27日 に小学生を対象にした「思いっきり楽しむぞ!農業体験フォーラム」が財団法 人茨城県農林振興公社の主催により開催された。 このフォーラムは、農業体験活動を実践している小学生や指導的農業者等が 一同に会し、自然や作物等とのふれあいのできる農業体験活動を通じ、子供た ちが食料や農業に対する理解や関心を深めることを目的に行われた。 当日は、農業モデル地区の学校農園等を設置している県内8市町村の26の小 学校の児童171人の他、学校や農業関係者80人が参加した。 参加した児童は3班に分かれてそれぞれ@子牛にえさを与えてみよう、A子 牛にふれてみよう、B手作りバター体験などの酪農体験を行い、その後は全員 でクイズディスカッションや交流会を実施し、みんなで茨城県産のコシヒカリ で作ったおにぎりと茨城県産の豚肉をたっぷり使った豚汁で冷えた体を温めて いた。参加した児童からは「バター作りが楽しかった」「牛にさわれて良かっ た」「また参加してみたい」などの声が聞かれた。 また、問題のある青少年を自宅にあずかるなど更正の手助けを行ってきた八 郷町の教育委員会委員長で、自らも酪農を営んでいる大槻和夫氏から「生きる 力を育む牛とのふれあい」と題した講演が行われた。 講演の中で、「子供にとっては困難を乗り切ることは、人から教えられるも のではなく、回りの人がバックアップしながら自らが乗り切るものである」 「農業体験学習は子供にとって受け止め方が違うものであり、受け止め方に応 じて生きる力を育むように導くのが教育者の役割で、マニュアル化できるよう なものではない」との持論を展開し、参加した学校関係者からも共感する声が 出ていた。 このフォーラムについては13年度から始まったものだが、14年度以降も引き 続き実施される予定である。
【子牛にえさを与えてみる小学生】 |
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【講演を熱心に聞く学校関係者】 |