北海道/余川 達也
平成14年9月6日から8日にかけて、北海道十勝支庁管内音更町で第13回北海道総 合畜産共進会(同実行委員会主催)が開催された。本共進会は、昭和29年に第1回 が開催され、以来4年に1回各畜種を集めて行われており、今回は乳用牛、肉用牛、 馬の3畜種で計28部門、約550頭が出品された。 本共進会は、家畜改良の成果を競うという共進会本来の機能はもちろん、北海 道畜産の祭典としても位置付けられており、道民こぞっての行事として発展して きたところである。 昨年9月のわが国初のBSE感染牛の確認、さらには食肉の偽装問題等により、消 費者の食に対する信頼が大きく揺らぐ中、道内生産者が安全・安心な畜産物の供 給に向けて懸命に取り組んでいる姿を消費者にアピールする絶好の機会として本 共進会を活用するべく、今回は一般消費者向けのイベント等を強化し、共進会と 併せて「2002北海道畜産フェアー」として開催した。 イベント部分のコンセプトとして、大人も子供も楽しみながら学べるというこ とを掲げ、「食べる」「遊ぶ」「学ぶ」の3つの広場を設けた。特に、本年度より、 公立小中学校が全ての土曜日がお休みとなったこともあり、児童・生徒が楽しみ ながら「畜産」を体験し、学べる場になるよう工夫を凝らした。 宣伝・周知についても、新聞、広報誌を初め、各団体のホームページなども広 く活用した。ポスターについては、イメージはイベント性を前面に押し出したも のとしたほか、掲示も小中学校や郵便局、観光施設や一般の商工業者等にも依頼 して、できる限り多くの一般消費者の目に触れるよう努めた。 また、消費者団体に対しては、全道的に広く参加を募った結果、道内9地区の消 費者協会に参加していただいたほか、札幌市からは小学生を親子で招待し、会場 内ではそれぞれにガイドをつけて案内・説明を行った。 当日、イベント会場では、牛・羊の丸焼きに長い行列ができ、また子供たちが 自ら参加できる子牛の哺乳体験や子豚レース、体験乗馬などが人気の的であった。 一般のお客様に全体的な感想を伺ってみると、「牛がこんなに美しい動物だと は思わなかった」「審査に臨む生産者の真剣な眼差しが印象的だった」等、イベ ントはもとより、共進会そのものに対しても興味をもって見ていただいていたこ とがわかった。当初の意図どおり「畜産を理解していただく」ことについて、一 定の成果が得られたものと考えている。 なお、開催3日間(うち一般向けイベントは1日)の延べ入場者数は約2万5,000 人で、平成10年開催の前回を約5,000人上回った。
【荘厳な審査風景は畜産のイメージを変えた】 |
【同時開催の2002北海道畜産フェアーは楽しい雰囲気】 |