◎地域便り


岩手県 ●「岩手南牛」を使ったフランス料理

岩手県/太田 聡士


 岩手県の岩手南農協(一関市・花泉町・平泉町)が平成14年度取り組んでい
る「BSE 対応 みんなで広げよう岩手南牛の輪、わっ!!事業」(県と市町か
ら助成)の中から「岩手南牛を使った料理講習会」と「地元生産者の顔写真入
りシール」への取り組みについて紹介する。

 「岩手南牛を使った料理講習会」は地域住民に、地元で生産された牛肉の食
味とおいしい調理方法を知ってもらうことを目的として管内の各市町で開催さ
れた。

 今回はその中で平泉町の様子を紹介する。

 当日、会場となった平泉町保健センターには町の広報等によって募集した参
加者約30名が集まった。講師には、一関市のフランス料理レストラン「ラ・マ
レンゴ」のシェフ堀内武氏をお招きした。

 用意したメニューは、岩手南牛のモモ肉を使った「牛肉とニンジンの煮込み」
と「牛スライス肉の野菜添えバジリコ風味」の2つ。どちらもフランスの一般
的な家庭料理である。

 参加者は、切り方および焼き方のコツや味付けの工夫などを伝授されながら、
活気あふれる様子でテキパキと料理を進めていた。途中、特別企画として「岩
手南牛」と「輸入牛肉」のサーロインステーキの試食が行われた。1人1切れず
つの試食だったが、味・食感の違いは明らか!「岩手南牛(和牛)がこんなに
おいしいなんてびっくりした。」と言う参加者もいた。

 「地元生産者の顔写真入りシール」は、14年度各市町の農業祭や農協祭等で
岩手南牛肉の販売を行った際に、各パックに貼るために作成された。購買者の
中には「○○さんの牛肉をください。」と生産者を指定してお肉を買う人さえ
いて、非常に好評な結果となっている。

 このシールは生産者にとって自分の育てた牛であるというアピールができる
楽しさに加え、今まで以上に責任をもって安全な岩手南牛の飼養を心掛ける活
力剤のような意味を持っていたようである。

 実は岩手南牛のほとんどが首都圏向け出荷のため、少し前までは地元の消費
者には馴染みの薄い銘柄牛だった。しかし、上記の取り組み等によって、少し
ずつ地元での認知度が上がってきている。

 また、岩手南牛を常時販売する店舗も出てきた。

 今後も生産者と関係者が一体となって「自分達はこんなに素晴らしい牛を育
てているスよ。」と地元消費者に語りかけるような消費拡大の取り組みを図っ
ていくこととしている。

    

    
【特別企画による牛肉対決】

    
【フランスの家庭料理、
家族にも食べさせたいな】

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