沖縄県/平良 雅則
宮古地域は大小8つの島々からなる。周囲をきれいな海に囲まれた、温暖な気候 (年平均気温23.3度)により年中青草に恵まれた南国の群島である。 この様な豊かな自然環境の中で、サトウキビを基幹作物とし、肉用牛との複合を 基本に農業経営を行ってきた。その結果、平成14年12月末現在、1,398戸の畜産農 家で17,419頭の黒毛和種を飼育している。 宮古地域では、和牛による農業所得の向上を図るための取り組みとして、 @1農 家当たり母牛1頭の増頭運動の展開、 A銘柄確立のため、増体の優れた宮古母牛に 資質系の優良種雄牛を交配する計画交配の推進、B粗飼料確保のため、国・県の補 助事業を活用した粗飼料基盤の整備、C高齢者等の労力低減を図るため、乾草調製 作業受託事業(コントラクター)の導入、D家畜市場活性化のため、関係機関一体 となった県内外購買者の誘致運動の展開などを実施してきた。 これらの推進活動の結果、この10年間で、飼養頭数が1.4倍、子牛生産頭数が1.4 倍、販売高が 2.4倍に増加している。特に県外への子牛出荷頭数の伸びは著しく、 平成9年度には3,920頭で全体の70%を突破し、平成14年度には6,486頭で全体の90 %に迫る勢いである。 この様な中で、平成14年度には年間売上高20億円の大台突破(22億4千44万円)を 達成した。 これを機に、平成15年5月9日にJAおきなわ宮古支店主催による「宮古和牛販売高 20億円突破生産者大会《販売高30億円目標早期必達》」が開催された。 同大会には、約450人の和牛生産農家が参加し、30億円早期必達に向けてセリ出 荷子牛の斉一性(出荷体重250_s〜280_s)運動の展開、規模拡大・増頭運動の展開、 「増体よく、飼いやすく、肉質に優れた宮古牛」の作出にむけて計画交配の徹底が 決議され、大会スローガン、大会宣言が全会一致で採択された。 大会終了後会場隣のクイチャー広場で、大会参加者全員による焼肉会が催された。 日頃は牛の世話で忙しい畜産農家のみなさんも、宮古島独特のオトーリ(車座で行 う泡盛の回し飲み)を酌み交わし、宮古牛に舌鼓をうちながら牛飼い談義に花を咲 かせた。
大会挨拶にも大いに熱が入る | 参加者全員による焼肉会 |