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15年10月8日付けで農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課は、平成14年次の食肉消費構成割合を取りまとめたが、これによれば、畜種により、その構成割合に違いが見られた。 牛肉の14年次推定出回り量910,587トンのところ、家計消費割合は、34%(1ポイント)となり、ハンバーグ・ハンバーガー用などの加工仕向は7%(▲3ポイント)、外食・そうざい向け等その他が59%(2ポイント)となった。 豚肉では、14年次推定出回り量1,627,885トンのところ、家計消費が42%(前年同)、加工仕向24%(▲2ポイント)、その他34%(2ポイント)となった。 牛・豚肉は、ハム・ソーセージ、ハンバーグ・ハンバーガーなどへの加工仕向の減少が顕著であった。 一方、鶏肉については、14年次推定出回り量1,727,983トンのところ、家計消費33%(2ポイント)、加工仕向け11%(2ポイント)、その他56%(▲4ポイント)となった。鶏肉については、特に冷凍食品への加工仕向の増加が見られた。 |
図1 食肉の消費構成割合の推移
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資料:農林水産省食肉鶏卵課 |
農畜産業振興機構調べでは、9月の黒毛和種肉用子牛の市場取引価格(雄雌平均)は、40万1千円と2ヵ月連続で40万円台を維持した。黒毛和種肉用子牛の価格は、BSE発生後、一時、保証基準価格を割り込んだが、その後回復し、14年度後半から40万円を挟んだ価格での取引が続いている。 平成15年上半期(4〜9月)の価格は、前年同期比14.6%増の40万2千円となった。年度別の価格の推移を見ると、40万円を超えたのは、平成4年度以来、記録されていない。 現在の黒毛和種の肉用子牛価格は、堅調な牛枝肉価格を反映したものと見られている。しかし、景気の低迷から、A5などの上位価格は伸び悩んでおり、現在の売れ筋であるA3、A2を中心とした価格展開となっている。また、堅調な牛枝肉価格自体がと畜頭数の減少を反映している状況にあるため、肉用子牛について、これ以上の価格上昇につながる材料は、今のところあまり見当たらない。 |
図2 肉用子牛(黒毛和種)の取引状況
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資料:農畜産業振興機構調べ 注:15年度の数値は9月までの |
厚生労働省は11月4日、広島県での牛海綿状脳症(BSE)に関するスクリーニング検査で陽性となった牛について、同日開催された「牛海綿状脳症の検査に係る専門家会議」においてBSEと判断されたことを明らかにした。 西日本で生産された牛で初となるBSE感染牛は、1歳9ヵ月(21ヵ月齢)のホルスタイン種の去勢牛で、10月に確認された8例目と同様に、これまで確認された牛に比べて極めて若齢であるものの、8例目のような「非定型的」なBSEではないとしている。 当該牛が、肉骨粉の給与が法的に禁止された後に生まれていることから、その感染経路の究明が待たれるところである。 なお、現在、流通している牛肉は、と畜場において、月齢にかかわらず全頭を対象としたスクリーニング検査で陰性となったもののみであり、安全性に関しては全く問題がないことが広く認識されており、9例目のBSE確認後も牛枝肉価格に大きな影響は出ていない。 |
表1 これまでのBSE感染牛の概要
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図3 肉用子牛(黒毛和種)の取引状況
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農林水産省統計部は10月17日、平成15年の肥育豚生産費を公表した。 それによると、肥育豚1頭当たり生産費(資本利子・地代全額算入生産費)は前年比1.8%増の28,712円となった。これは、配合飼料価格上昇が主な要因と見られる。 内訳をみると飼料費が17,651円(2.4%)、労働費が4,676円(▲2.6%)で、費用合計のそれぞれ61.5%、16.3%を占めている。粗収益は、豚価低迷が影響し31,004円(▲4.7%)となり、前年より1,519円減少した。 生産費を過去5年ごとに見てみると、平成5年は生産費30,841円、飼料費19,168円、労働費5,269円で費用合計に占める割合は63.2%、17.4%であった。 また、平成10年では生産費30,599円、飼料費19,469円、労働費5,215円で費用合計に占める割合は63.8%、17.1%であった。一戸当たりの飼養頭数は5年426頭、10年736頭、15年1,031頭と過去10年で2倍以上増頭されており、大規模化が進む中、飼料費をいかに安く押さえるのかが課題といえる。 |
図4 肥育豚生産費のうち費用合計の推移
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資料:「農業経営統計調査:肥育豚生産費」(農林水産省) |
昨今、「黒豚100%使用」などと付して、白豚肉や部分的に黒豚を使用した食肉、加工品が出回り、表示を偽ったとして物議を醸し出していた話題の黒豚。 畜産大辞典によると、黒豚とは、豚の品種で言うとバークシャー種、「皮毛が黒色で眉間、四肢及び尾が白いことから黒六白と呼ばれている。体重はオスで250kg、メスで200kg、早熟、早肥で粗飼料の利用に優れ、産子は8.5頭と少ない。しかし、肉質は線維が細かく柔らかで、精肉に適している」とある。 黒豚と表示できるのは、平成11年9月から「食肉小売品基準」に黒豚表示を新たに設け、バークシャー純粋種のみに「黒豚」表示できることとしている。さらにバークシャー種は他の品種と掛け合わせると本来持っている独特の肉質が損なわれることから雑種にすることはない。 (社)中央畜産会の「家畜改良関係資料」(平成14年3月)によると13年のバークシャー種の種雄豚4,803頭、種雌豚35,863頭、肉豚178,208頭となっている。 県別の飼養頭数は、種雄、種雌、肉豚の合計で、116,665頭の鹿児島県が全体の50%を占める第1位で、続いて宮崎県で43,560頭、埼玉県で11,818頭、山形県で8,806頭と続く。 昭和60年代一時衰退した黒豚生産も「食材見直しの風潮」をきっかけにその肉質が評価され、徐々に増頭しつつある。 |
図5 バークシャー種の肉豚飼養頭数
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資料:「家畜改良関係資料」(平成14年3月):(社)中央畜産会 |
全国ブロイラー需給調整会議が9月19日に開催され、15年下半期の需給見通し等を協議した。本会議では、15年度の国内推定出回り量が前年に比べわずかに上回って推移していることから、価格動向及び輸入状況の変化等が話題の中心となった。 15年度のブロイラー出荷計画は、全体の出荷羽数の55%を占める、主要3県(岩手、宮崎、鹿児島)の合計がほぼ前年並みと予想されることから、全国では前年度比101.1%で推移すると予測している。一方、15年度の鶏肉輸入量(骨付きベース)は、昨年度をわずかに上回る52万トン程度、うち鶏肉調製品(正肉ベース)は、昨年度を1割程度上回る17万トンと予測している。国別に見ると、中国産からタイ産及びブラジル産へのシフトが顕著で国産志向も薄れつつあることから、国内鶏肉産業をとりまく状況は厳しさを増すとの報告がなされた。 また、需要量では家計消費、加工業務用とも前年並みで推移すると予想され、従来の在庫水準を1割程度上回る高めの在庫が心配されるとのことであった。 |
10月は、中国、インドネシアにおいて家畜の監視伝染病である鶏インフルエンザが発生し、一部地域からの家禽類輸入停止措置がなされている。今後の輸入見込みとして、中国からの輸入増加が予想されていただけに、輸入動向の不透明感が増している。 国産品に目を向けると、9月の生産量は前年同月比0.7%増の103,268tトンとなり前年並みとなった一方で、鶏肉消費は8月後半から回復基調にあると見られている。こうした中、9月のもも肉の卸売価格(東京)は597円/kgと強含みで推移しており、特売で需要の多いもも肉の不足感も見られる。 |
図6 鶏肉の推定出回り量
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資料:農畜産業振興機構 |
農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、15年上半期(4〜9月)の生乳生産量は、前年同期比0.3%増の4,261トンと前年並みとなった。同期間の用途別処理量を見ると、飲用牛乳等向けが0.6%減の2,579トン、乳製品向けが1.7%増の1,638トンとなった。生乳生産量が前年並みを維持する中で、飲用牛乳等向けの減少が結果として乳製品向けの処理量増加につながっている。 飲用牛乳等向けの処理量は、14年8月以降、前年同月を上回って推移していたが、15年6月に減少に転じている。冷夏の影響による飲用牛乳消費の低迷がにより、特に8月は、減少幅が前年同月比で4.5%に達した。9月には0.8%減と減少幅は縮小したものの、4ヵ月連続で前年同月を下回る結果となった。 |
図7 生乳生産量および用途処理量の推移(対前年比)
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資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」 |
鶏卵卸売価格の指標となる全農、東京、Mサイズの10月の価格は、151円となった。(社)全日本卵価安定基金は10月の鶏卵標準取引価格について1キログラムあたり155円91銭と決定し、10円の補てんが行われる。 このまま低迷が続けば、近年最安値の平成13年の164円を大きく割り込み140円台に落ち込むことが危惧されている。 卵価の低迷の原因は、過剰生産と消費停滞が推測されるが、総務省の家計調査(全世帯)における鶏卵の月別消費量を見ると、今年7月〜8月は、昨年及び平成10年の同月を上回って推移しており、9月は若干前年同月を下回ったものの、1人当たりの消費量は813g、Lサイズで約13個程度になった。 今後、本格的な冬を迎え、すきやき、おでんなどの鍋料理で更なる消費増加も期待できる。 しかし、供給予測ではこれからが産卵適期となるため、供給過剰も心配され、計画生産の遵守が望まれている。 |
図8 一人当たり鶏卵消費量
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資料:「家計調査(全世帯)」(総務省) |
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