岩手県/太田 聡士
「んまい!」「おいしいね!」地元産和牛ステーキを給食でほおばった子供 たちが言った。それを聞いた肥育牛生産者もにっこり。これは平成14年10月の 下旬に岩手県のある小学校で見られた一場面である。 岩手県南部に位置する一関市・花泉町・平泉町を管轄とする岩手南農協は、 今年度「BSE対応 みんなで広げよう岩手南牛の輪、わっ!!事業」(県と市町 から助成)により、管内の小中学校の給食に地元産牛肉である「岩手南牛」を 提供した。 この事業は、地域住民の方々に「岩手南牛」の安全・安心をPRすること、ま た、地元産牛肉を安心して購入できる仕組みの確立により消費拡大を図ること を目的としている。学校給食への取組みのほかにも、8月には管内の公共牧場 で親子畜産ふれあい教室を開催した。 今回実施された学校給食への「岩手南牛」の提供によって、管内の小中学校 24校の子供たちにモモのステーキが一人分約50グラム(全部で6頭分約300キロ グラム)、児童・教職員合わせて約6,000人分振る舞われた。実施日は岩手県 で取り組んでいる「いわて食財の日」(毎月第4土曜日の前後3日間)に合わせ、 10月24・25日が選ばれた。 当日は肥育生産者の代表として一関市の板橋進さん(岩手南肥育牛生産部会 副会長)、花泉町の佐々木きみ子さん(岩手南肥育牛生産部会副会長夫人)が それぞれ地元の小学校に出向いた。お二人は、教室で普段自分たちの牛を育て ている様子や、給食に用いた牛肉の特徴についてわかりやすくお話をされた。 その後、一緒に給食を食べながら子供たちとの交流が行われた。 子供たちからは、「牛を飼っていてどんな苦労がありますか」「どうやって お肉になるの」「牛の病気は人間にうつるの」など次々に質問が出され、お二 人は、その1つ1つの質問にわかりやすく答えていた。 この企画は、子供たちに地元で生産したおいしい牛肉を食べてもらいたいと いう畜産関係者の願いから始まった。しかし、子供たちがおいしそうに牛肉を 食べる姿を見て、逆に「これからも自信と誇りをもって岩手南牛を生産してい こう。」とわれわれ畜産関係者や生産者が勇気付けられる昼食会となった。
【生産者である板橋さんが岩手 南牛についてわかりやすく説明】 |
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【学校給食にステーキ!会話も はずみます】 |