千葉県/渡邊 和彦
海匝地域は県内有数の肉牛生産地であるが、平成13年9月に日本で初めての 牛海綿状脳症(BSE)が千葉県内で発見されて以来、地域の生産者はもちろん 消費者、流通業者等を含めパニックと呼ぶほどの騒動に発展した。感染牛のと 畜場がわが管内であったことから、特に価格という面で肉牛生産者は出荷自粛 あるいは枝肉価格の暴落という形で直接的な影響があり、生きた心地がしなか ったというのが正直なところである。 このような状況の中、食の絆を大切にしたおいしくて安心・安全な産地直送 の牛肉を消費者へお届けすることを目的に、わが管内の肉牛生産者を中心とし て、千葉産直ビーフ研究会が発足した。 この千葉産直ビーフ研究会は岩渕行雄さんを会長とし、14年3月30日に設立 総会を開催し設立した。事務局は、株式会社千葉県食肉公社に置き、食肉事業 部長の鵜澤国夫さんが実務に当たられている。現在会員は生産者34名、会社9 社を数えている。 この研究会で販売される牛肉は、「千葉しあわせ牛」と名付けられた。その 特徴としては、肉牛生産者、飼料メーカー、と畜場、食肉問屋まで巻き込み、 生産から流通・販売まで一体となって、すべて千葉県内で行うことである。そ のため、1頭丸ごとの肉をスーパー等の販売店に卸し、売り方や値段等も指示 した上でそこで売り切る形をとっている。 さらに、今後はホームページで消費者へ情報(生産農家、エサ、その他)を 提供することとしている。 これまでに、県内の数件のスーパーで販売促進のイベントを実施し、現在 「しあわせ牛」のシールを貼って販売しており、売れ行きも上々のようである。 ホームページはすでに開設されているので、詳細はHP(http://www.sanchoku -beef.org/)を見ていただきたいが、千葉県有数の肉牛生産地で生産者自らが 立ち上げたブランドの1つとして応援いただければ幸いである。
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食の絆 |
【白いシールが目印の しあわせ牛のパック】 |
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【イベント中、味わえば 「牛っとしあわせ」】 |