新潟県/渡部 映子
牛肉の消費拡大を目的に、新潟県食肉事業協同組合連合会が新潟県調理師技能 協会の協力を得て、「国産牛肉と県産野菜を材料に地産地消鍋を!」をキャッチ フレーズに昨年末、新しい鍋料理「にいがた十三汁 」を考案した。 この鍋は、安全・安心でおいしい国産牛肉を中心に、コシヒカリを小さく半つ ぶしに握った「こしのまゆ玉」とダイコンやゴボウなど県産の野菜を合わせて13 種類の素材を用い、「富」につながる縁起の良さから名付けられた醤油味の鍋で あり、作り方はいたって簡単である。家庭で気軽につくることができ、彩りあざ やかで、栄養満点なおいしい鍋が特徴である。 早速、この鍋の良さを広くPRしようと、新潟県食肉事業協同組合連合会は2 月8〜9日に開催された「にいがた冬・食の陣」で3,000食、2月15〜16日開催 の「長岡雪しか祭り」で2,000食、合わせて5,000食のにいがた十三汁を無料で 振る舞った。 「にいがた冬・食の陣」では、にいがた十三汁をぜひ食べてみたいと、開始前 に500人近い行列ができ、1回で750食用意された鍋が1時間足らずで品切れに なるほどの大盛況であった。当日試食した人からは、「こくがあってとてもおい しい。栄養バランスが良く、簡単にできそうなので、今度ぜひ家でも作ってみた い。」という声が多く寄せられた。 また、併せて、「月刊にいがたタウン情報」に、「家庭で簡単にできるにいが た十三汁レシピ」と、にいがた十三汁をメニューとして取り入れた新潟市および 長岡市の飲食店を掲載し、広くPRに努めた。その結果、現在、この「十三汁」 をメニューに取り入れる店が出始めている。 新潟県は昔から、「肉といえば豚肉」というほど、牛肉より豚肉に親しんでき た県民であり、総務省全国主要都市家計調査ランキング(1999-2001)によれば、 新潟市民の年間食肉購入量は、豚肉は全国6位にあるものの、牛肉は42位と大 きく差が開いている。 このように、残念ながら牛肉の食文化については発展途上段階にある当県にお いて、「にいがた十三汁」が牛肉の新しい食文化開花のきっかけとなり、今後の 牛肉の消費拡大につながっていくことを大いに期待している。
【にいがた十三汁】 |
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【「にいがた冬・ 食の陣」での様子】 |
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【牛肉入りの 「にいがた十三汁」 で体も暖か】 |