◎地域便り


山形県 ●進化し続けるメガファーム 

〜有限会社ビッグフィールド〜

山形県/門間 英司


 「西の松阪、東の米沢」と称されるように「米沢牛の里」で知られる山形県
南部に位置する置賜地域(米沢市他2市5町)、実は県内生乳総生産の5割強を
占める一大酪農地帯でもある。その置賜地域南東部、米沢市に有限会社ビッグ
フィールドがある。

 現在(有)ビッグフィールドは、総頭数550頭、年間生乳生産4,800トンと県
下一の規模を誇っている。

 平成13年1月、太田源一さんが有限会社ビッグフィールドを設立した。昭和
45年就農当時は水田3ヘクタール、乳牛8頭であった。もともと農業があまり好
きではなかった太田さんだが、「人を雇えるような経営をしたい。地域経済の
発展に貢献したい。やるからには、1番になりたい。」という信念を持ち、
「感謝する心」「奉仕する心」「挑戦する心」(後に社訓となる)の精神で、
以後経営を発展させてきた。

 昭和61年、20頭牛舎新築、パイプライン、バーンクリーナーを導入。平成元
年、フリーストール方式により飼養開始。8年、ミルキングパーラー方式導入
により250頭規模まで拡大した。家畜排せつ物法の制定も規模拡大の転機とな
った。とかく法制定というのは、経営者にとってマイナスに捉えがちだが、太
田さんはこの法制定をプラスと捉え、効率良くふん尿処理を行うには、それま
での250頭規模では中途半端であると考え、その後の規模拡大の動機としたの
である。

 また太田さんは前述のとおり、地域との共生、地域農業の活性化を重視して
いる。現在、飼料作物の生産規模は50ヘクタールであるが、中でも転作牧草に
ついては太田さんが地域牧草の収穫作業を行い、そこで生産された飼料作物を
利用、たい肥等有機物は地域農地に還元している。このことは、地域の効率的
な土地利用および生産調整に大きく貢献しており、また地域循環型農業という
形を確立している。

 「品質管理は産地の命」と、大規模だからこそ1頭1頭の管理に余念がなく、
伝染病等、疾病には細心の注意を払っている。そんな技術面の裏付けが、1頭
当たりの産乳量を全国トップクラスに維持し、円滑な規模拡大を可能としてき
た。

 今後も県下一、東北一のメガファーム(ギガファーム)として更なる目標に
向かい飛躍することを期待している。
【代表取締役 太田源一さん】

    
【雪の中の
(有)ビックフィールド】

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