◎地域便り


埼玉県 ●豚1頭ごとの生産流通履歴を公開「彩の国黒豚」トレーサビリティシステム

埼玉県/中島 一郎


 BSEの発生、食肉偽装工作事件などを背景に、牛肉のトレーサビリティシス
テムが全国的に展開されつつある。「全農さいたま」では、埼玉県を代表す
る銘柄「彩の国黒豚」について、消費者が安心して購入できるシステムを構
築するため、平成14年10月31日から、生産・流通履歴を公開した販売を開始
した。

 このシステムでは、農家から出荷される豚1頭ごとに「全農さいたま」が個
体識別番号を付与し、消費者は「全農さいたま」
のホームページ(http://www.st.zennoh.
or.jp/kurobuta/kurotop.html)から識別番号を検索して、生産・流通履歴を
入手する仕組みとなっており、豚1頭ごとに情報を管理・公開している点が最
大の特徴である。

 「彩の国黒豚」は、現在、深谷市や花園町などの生産者6戸で飼養され、年
間約4,200頭が出荷されている。

 生産者住所・氏名の他、飼育方法の特徴、と畜場名・と畜年月日、カット
施設名・カット年月日、販売店・入荷年月日などの生産・流通履歴が、埼玉
県内を中心とした百貨店、スーパーおよび精肉専門店の18店舗で公開されて
いる。

 取組開始から3カ月間で、約1,000頭の黒豚が出荷され、各々の情報が公開
されているが、豚肉小売量を200グラムパックに換算すると12万パックに及ぶ。

 消費者からは、「素性がはっきりしているので安心して購入できる」と好評
を得ており、生産者においても、消費者に直接情報やメッセージが届くシステ
ムであることから、より安全な豚肉の生産に向けた意欲・責任感が高まってい
る。 

 なお、埼玉県では、HACCP方式の考え方を取り入れた埼玉県独自の生産ガイ
ドライン(肉牛、乳牛、豚、鶏、露地野菜、水耕野菜)を策定したが、黒豚生
産農家においても、このガイドラインに基づく衛生管理を進めている。

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