青森県/企画情報部
らくのう青森農業協同組合が上北郡六カ所村に建設してきたTMRセンターが 平成14年12月に稼働して約8カ月を過ぎようとしている。全開連系統としては 実質的に第1号のTMRセンターとなる。
この地区に発酵TMR飼料製造工場を完成させたことによって、通年を通して 安定的な品質の乳牛用飼料を安価に供給することができるようになった。また、 飼料配合や給じ作業などが大幅な省力化を実現したため、乳用牛の増頭増産へ の足掛かりとなっている。 同センターは平成14年度の経営構造対策事業の補助(1/2補助)を受けて 総工費2億7千万円で建設された。月産1,200トン規模(年間14,400トン)、従 業員10名で運営している。工場の概要は敷地面積1万4千平方メートルの中に、 工場棟、製品庫2棟、事務棟となっている。工場内には米国製の混合機6トン2 基で混合飼料が製造され、コンベアーで自動計量器に運ばれ、1トントランス バックに充填され、ガス抜き後に保管庫で3週間の発酵過程を経て製品が出荷 される。工場棟は広く余裕があり、更にもう1台混合機等の増設も可能なほど である。 工場設計監理は全農青森県本部、混合飼料製造の技術指導は雪印種苗株式会 社が行っている。全開連系統としては静岡県にTMR施設があるが、商系施設の ため、組合直営としては第1号となる。 主原料は食品副産物として、青森県特産のリンゴジュース粕、地元の豆腐粕、 ビール粕、醤油粕、その他食品粕である。原材料として基礎配合飼料、ビート パルプ、稲ワラ、小麦ストロー等が利用され、製品は当分はセミTMR(水分 4 5%前後)一種類のみで、現物価格はキロ当たり30円程度を想定し、省力化以 外に生産コストの低減も狙っている。 青森県特産の未利用資源のリンゴ粕は発酵すればし好性も良く、発酵混合飼 料はカビの発生もない。ただリンゴ粕原料は季節的な要因があり安定確保が難 点である。しかしながらすでに数軒の酪農家に野外給与試験を実施し、飼料配 合作業が省力化できると利用農家では好評だ。当地は比較的、粗飼料が豊富な ので、セミTMR飼料としたが、TMR飼料のメリットを生かす給与指導を普及した いと考えている。
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