新潟県/長谷川 靖
ガンジー牛乳のアイスミルクが話題を呼んでいる。新潟県和島村、加勢勉さ ん・アヤ子さんが経営する「加勢 牧場」で飼養されているガンジー牛の乳か ら作られたもので、その上品な味わいが評判となっている。 ガンジーは日本ではあまりなじみのない品種だが、その乳は希少性が高く、 ヨーロッパでは「ゴールデンミルク」と呼ばれ、古くから珍重されてきた。イ ギリスのガンジー島原産であることが名前の由来で、茶黄色の毛並みが美しく、 やさしい顔つきと相まってとても愛らしい姿をしている牛である。ホルスタイ ンより小柄でおとなしく、気候風土への適応性も優れている。 ガンジー牛乳は乳脂肪、乳たんぱく、カルシウムなどが普通の牛乳より多く、 なかでもベータカロチン(ビタミンA)の含有量が多いことが最大の特徴であ る。味は、成分が濃く、コクがあるにもかかわらず、まろやかで後味もすっき りとしている。 加勢牧場のガンジー牛乳生産への挑戦は今から6年前に始まった。高品質で おいしい牛乳の生産を目指していた加勢さん夫婦にとって、ガンジー牛の牧場 を作ることは長年の夢だったという。 平成9年12月、1頭の雌子牛を導入し、加勢さんの夢実現に向けての第一歩 が踏み出された。生後1カ月でやってきたその子牛は「みちる」と名付けられ、 加勢さん夫婦に大切に育てられた。「みちる」は4頭の子を産み、現在も加勢 牧場の看板娘として活躍している。今では「みちる」の娘や孫たちも大きく育 ち、飼養頭数は8頭に増え、安定して牛乳が生産できるようになった。 昨年6月、多くの人にガンジー牛乳の素晴らしさを知ってほしいとの思いか ら、原料となる牛乳に100%加勢牧場のガンジー牛乳を使用したアイスミルク の販売を開始した。ガンジー牛乳独特の爽やかな風味を活かすため、砂糖・生 クリームを加えず、低甘味・低脂肪に仕上げている。「自然な甘さ」、「牛乳 本来の味がする」と好評で地域の新たな特産品として期待されている。 今はまだ生産量が少ないため、牛乳の販売はしていないが、いずれは頭数を さらに増やし、搾りたてのガンジー牛乳を毎日飲んでもらえるようにしたいと 加勢さんの夢は膨らむ。
|
|
|