愛知県/山田 眞理
昭和38年に設立された一宮市浮野養鶏農業協同組合(浮野養鶏農協)では、 地域に愛される衛生的な養鶏農場を目指し、平成6年から鶏舎やGPセンター、 鶏ふん発酵処理施設および鶏卵直売所の新設を行ってきた。新設されたウイン ドウレス育成舎、ウインドウレス成鶏舎、そして成鶏舎と隣接したGPセンター を経て約20万羽の鶏から生産される卵は新鮮で衛生的である。 さらに、海草やサンゴ化石等を加えた飼料を使用して、より安心・安全・お いしさにこだわった鶏卵「尾張の卵」を生産するとともに、この「尾張の卵」 をより早く消費者に届けるため、6年から開設している鶏卵直売所「うきうき 村」で販売を行っている。「うきうき村」では、鶏卵のおいしさのPRや販売員 の接客方法の改善、イベントの開催などに努め、開店から順調に販売量を伸ば してきた。 そこで今回、この自慢の卵をもっと多くの人に手軽に食べて頂くため、シュ ークリームやプリン等、「尾張の卵」をたっぷりと使用した洋菓子の製造販売 を始めることとなった。製造販売をするからには「尾張の卵」のおいしさを最 大限引き出す必要があり、開店一年前からその準備が重ねられた。まずは、開 店前の一年間、この製造販売店の責任者となる女性の組合員が、洋菓子の試作 品を幾度となく作り、他社の洋菓子と比較を行いながら組合員が試食して、よ りおいしい商品の製造を目指すとともに、洋菓子専門学校から菓子職人を新た に雇用して、半年前から他の洋菓子店で勉強をさせるなどの準備を行った。
こだわりの洋菓子は「うきうき村」と併設した「ぷらあ〜ザうきうき」で、 平成15年6月20日から販売されている。商品は、シュークリーム、プリンの他、 午前中にはこれらの商品と飲み物を加えたセットに手作りパンも付く。開店に 先立ってのPRは特に行わなかったが、「うきうき村」のお得意さまから販売開 始の情報が口コミで広がり、開店当日はレジに列をなすほどの大にぎわいであ った。寝る暇もなく製造に追われているスタッフだが、食べて頂いた皆さんの 笑顔が嬉しいと、いきいきと頑張っている。 食品製造業(一次産業)から加工業(二次産業)そしてサービス販売業(三 次産業)へと浮野養鶏の発展は止まらない。
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