三重県/(株)三重県松阪食肉公社
松阪牛は、現在、東京出荷と地元相対取引が主な取引形態となっており、多くの制約やリスクなどがあり肥育農家の出荷手段の選択肢がない。一方、肥育農家は、後継者育成、経営安定、安定供給の面からも増頭を図っているものの、未だに供給不足から枝肉価格の高騰が続いている。このようなことが長く続くと松阪牛の消費者離れを招くおそれがある。 このことから、世界のブランド松阪牛の生産地としては、消費者に安全で安心な牛肉を提供するために、明確な生産・流通体制を築く必要がある。そこで松阪牛の安全性を更にPRし、生産・流通について消費者にわかりやすい情報提供をおこなうために平成14年8月から「松阪牛個体識別管理システム」の運用開始し、更に、全国から応募・登録された業者(食肉処理業、食肉販売業の許可を有する者)が買参人となり株式会社三重県松阪食肉公社が流通のパイプ役となり出品管理から販売精算まで行う、松阪牛枝肉ネットオークションシステムの運用を平成15年12月より開始した。 松阪牛枝肉インターネットオークションへの出品は、このシステムに登録した農家が出品者となり、対象地域で肥育された黒毛和種の未経産雌牛で、個体証明書を有し、照合が可能なものを対象としている。 オークション画面には、出生地、月齢(日数)地域内肥育日数、枝肉重量、格付明細、枝肉写真などが紹介され、その時点での入札最高額が表示されている。入札者は、10円/kgを入札単位とし、表示された最高額を上回る額を入力するシステムで、希望価格を入力しておけば、その都度入力する必要のない自動入札システムを採用している。そして、公社のコンピュターには、その時点で入札されている最高額を超える金額に達するまで自動的に入札を繰り返し、入札の手間を省き落札金額を抑えることができる自動入札機能をもたせた。 ネットオークションによる松阪牛枝肉の売買は、肥育農家の計画的な子牛導入や自由な出荷時期の選択などにより、肥育意欲が向上し松阪牛の増頭に大きく貢献することとなり、このことが市場全体への松阪牛の供給を増やし、価格の安定を図ることを目的としており、このシステムを食肉流通の一つの手段として安定的な運用を図っていく予定である。 下記ホームページにて入札結果、ネットオークションの説明等ご覧頂けます。
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