紫波町には養豚農家で構成する「しわ黒豚生産者の会」と「i-coop豚生産者の会」がある。「安全で安心、そしてよりおいしい肉を」をモットーに、それぞれ付加価値があり差別化できる飼育方法により「しわ黒豚」と「i-coop豚」を生産している。
生産者の会は、独自の飼養マニュアルを作成しており、例えば「しわ黒豚」はトウモロコシを入れないオリジナル専用肥育飼料に混合飼料、青草などを与えて飼育している。また「i-coop豚」は非遺伝子組み換え種子とPHF(ポストハーベストフリー)のトウモロコシや生協指定の添加剤などを含まない配合飼料などを与えて丹精込めて育てている。
このようにして生産された肉豚は、産消提携をしている「いわて生活協同組合」(以下、生協という。)に出荷され、消費者に「安全で安心の美味しいお肉」として届けられている。
ここで言う「安全で安心の美味しいお肉」とは生産者だけの話ではない。なぜなら、それぞれの生産者の会が、定期的に生産者と生協、そして消費者との交流会を開催し、お互いの意見交換や情報提供、産地見学会などを行っているからである。それにより、お互いの信頼関係が成り立っているからこそ「安全で安心の美味しいお肉」と言えるのである。
「しわ黒豚」は、昭和55年に農協、生協、生産者で構成される研究会の共同開発により誕生した。13年には「しわ黒豚」というブランド名で商標登録もしている。「しわ黒豚生産者の会」は町内6戸の養豚農家で構成され、母豚頭数約150頭、常時肥育頭数約1,000頭で年間約1,500頭を出荷している。肉質は、赤身は筋繊維が細かく適度な歯ごたえと舌触りで、白身(脂肪)は口の中でべとつかずサラリとした食感で、また、旨味成分であるカルノシンと遊離アミノ酸が多く含まれているほか、ブドウ糖など遊離中性糖量も多いので、甘みとコクがありとてもジューシーで美味しいお肉である。人気TV番組「どっちの料理ショー」の中で2度も特選素材としても取り上げられ、大変高い評価を頂いている。
また「i-coop豚」は、2年に「安全で品質の良い肉豚を」と言う生協の願いと「経営と暮らしを守り肥育技術の向上、養豚の育成発展を」という生産者の願いのもとに誕生した。「i-coop豚生産者の会」は町内7戸の養豚農家で構成され、母豚頭数約240頭、常時肥育頭数約3,100頭で年間約6,000頭を出荷している。「i-coop豚」はビタミンEを多く含む飼料を食べているので、肉は酸化しにくく、鮮度が保たれ、また、肉にはビタミンB1、ビタミンEが多く含まれているので抗酸化作用により若さを保つ効果もあり、とてもヘルシーでおいしいお肉である。
現在、食の安全・安心が求められる中で、生産者の顔が見えると言うことは、消費者から高く評価されている。これからも「しわ黒豚生産者の会」と「i-coop豚生産者の会」は、飼育とおいしさにトコトンこだわって、さらなる「安全で安心の美味しいお肉」を消費者に届けるよう努力している。
※「しわ黒豚」と「i-coop豚」の問い合わせ先と販売先
問い合わせ先 岩手中央農業協同組合
電話 019−676−3512
販 売 先 いわて生活協同組合
電話 019−687−1441
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甘みとコクがある「しわ黒豚」
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ビタミンEを含む飼料を食べている「i-coop豚」
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