千葉県畜産総合研究センターが造成していた系統豚「ボウソウL3」が完成し、平成16年9月1日付けで社団法人日本種豚登録協会から新系統豚として認定されました。 |
1 背景と経過
千葉県は、全国屈指の養豚県(平成14年農業産出額333億円・全国第4位)であるが、輸入豚肉や他産地との競合に打ち勝ち、消費者に支持されるためには、良質でおいしい豚肉を安定的に供給することが重要となっている。
系統造成という育種方法を活用して作られる系統豚は、遺伝的斉一性が高いため、生産される豚肉は良質で極めて均一性が高いという特性を有している。
県畜産総合研究センターでは、10年度からランドレース種の新しい系統豚「ボウソウL3」の作出を進めてきたが、この度、造成が完了し、系統豚の認定機関である社団法人日本種豚登録協会から新系統豚として認定を受けた。
本県では、これまで、ランドレース種で2系統、大ヨークシャー種とデュロック種でそれぞれ1系統の系統造成を行ってきた実績がある。
2 「ボウソウL3」の特徴
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ボウソウL3 繁殖母豚
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授乳風景
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(1)産子数が多いことに加え、ほ乳能力が高く、繁殖性に優れている。
(2)肢蹄が強健で、種豚として長持ちする。
(3)性質が温順で飼いやすい豚である。
(4)発育性に優れている。
3 今後の普及
・ボウソウL3は、畜産総合研究センターで生産され、種豚場と呼ばれる養豚農家に配布される。
・種豚場では、ボウソウL3(L)を増殖する一方で、大ヨークシャー種(W)と交配し、肉豚生産用の繁殖母豚(2元交雑豚<LW>)を生産し、一般養豚農家に販売する。
・一般養豚農家では、LW母豚にデュロック種(D)を交配して、肉豚(3元交雑豚<LWD>)を生産し、肥育後出荷する。(平成18年11月以降になる予定)
このように、ボウソウL3の血筋を引いた豚が裾野を広げながら生産・出荷されるが、県としては、更に系統豚の有用性をアピールし、利用農家の拡大を図っていきたいと考えている。
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