新潟県/阿部 渉
新潟県産和牛は、年間約3,000頭が出荷されており、その約7割が県外に出荷され、高い評価を得ているが、出荷規模の小さい地域ブランドが個々に取り組んでいたことから、生産の拡大と統一ブランド化が課題であった。 このため、県では県産和牛の統一ブランド化について平成13年度から関係者と検討を重ね、去年9月11日に生産から流通に至る県内の和牛関係者27機関の参加のもと「にいがた和牛推進協議会」を設立し、一定の要件を満たした県産和牛を「にいがた和牛」として名称統一した。 設立総会では、「にいがた和牛」の ブランド化を進める体制づくりの規約が承認され、平山征夫新潟県知事が会長に就任したほか、15年度事業計画、シンボルマーク等が決定された。
<にいがた和牛推進協議会の活動> 協議会では、本県肉用牛生産の振興に寄与することを目的に、(1)「にいがた和牛」ブランドの銘柄確立、(2)共励会等の開催、(3)消費宣伝及び販売促進、(4)販売店等の指定などに関する事業を行う。 15年度は、市場出荷対策として主要出荷先である東京食肉市場において、「にいがた和牛」枝肉にシンボルマークを押印して上場するとともに、ブランドの信頼性確保のため「にいがた和牛」枝肉を購入した業者からの申込みにより産地証明書やロゴシールの発行などを開始している。 16年度からは本格的にイベントの開催や広告宣伝など活動を実施する予定である。 <にいがた和牛披露会と初セリ>
<今後の課題> 新ブランド「にいがた和牛」が、先行する他県ブランドと肩を並べるためには、ブランド価値を高めていくことが不可欠である。 今後は、品質保証をされた牛肉が消費者まできちんと届くという基本的な流通販売体制の整備と並んで、品質の高い牛肉を安定的に供給していくことが重要となる。 去る平成15年10月24日、東京食肉市場で開催された平成15年度全国肉用牛枝肉共励会において、黒川村の河内松雄さんが名誉賞(全国一)を受賞した。県産和牛7年ぶりの快挙である。 当県の肥育技術が高い水準を維持しながら広く普及することにより、「にいがた和牛」が全国に通用するブランドになるよう関係者が一体となって努力していくことが必要である。 |