◎地域便り


新潟県 ●県産和牛統一ブランド「にいがた和牛」誕生

新潟県/阿部 渉


 新潟県産和牛は、年間約3,000頭が出荷されており、その約7割が県外に出荷され、高い評価を得ているが、出荷規模の小さい地域ブランドが個々に取り組んでいたことから、生産の拡大と統一ブランド化が課題であった。

 このため、県では県産和牛の統一ブランド化について平成13年度から関係者と検討を重ね、去年9月11日に生産から流通に至る県内の和牛関係者27機関の参加のもと「にいがた和牛推進協議会」を設立し、一定の要件を満たした県産和牛を「にいがた和牛」として名称統一した。

 設立総会では、「にいがた和牛」の ブランド化を進める体制づくりの規約が承認され、平山征夫新潟県知事が会長に就任したほか、15年度事業計画、シンボルマーク等が決定された。

「にいがた和牛」のシンボルマーク

<にいがた和牛推進協議会の活動>

 協議会では、本県肉用牛生産の振興に寄与することを目的に、(1)「にいがた和牛」ブランドの銘柄確立、(2)共励会等の開催、(3)消費宣伝及び販売促進、(4)販売店等の指定などに関する事業を行う。

 15年度は、市場出荷対策として主要出荷先である東京食肉市場において、「にいがた和牛」枝肉にシンボルマークを押印して上場するとともに、ブランドの信頼性確保のため「にいがた和牛」枝肉を購入した業者からの申込みにより産地証明書やロゴシールの発行などを開始している。

 16年度からは本格的にイベントの開催や広告宣伝など活動を実施する予定である。

<にいがた和牛披露会と初セリ>

「にいがた和牛ブランド披露会」
新潟ふるさと村 平成15年10月4日
 
「にいがた和牛」初セリ(新潟県肥育牛求評共励会)
東京都中央卸売市場食肉市場 平成15年10月17日
 
 協議会では、「にいがた和牛」のブランド名の浸透を図るため、平成15年10月に2回のブランド披露会を開催した。10月4日には、県内消費者を対象に新潟ふるさと村(新潟市)で披露式典やにいがた和牛肉の販売等を行った。また、16日には、虎ノ門パストラル(東京)で東京食肉市場関係者に新ブランドを披露した。翌17日には東京食肉市場で第48回新潟県肥育牛求評共励会が開催され、続いて「にいがた和牛」としての初セリが行われたが、最優秀賞牛の枝肉単価が雌の部でキロ当たり3,935円、去勢の部で3,763円と高値がつき、平均単価でも2,220円となるなど、幸先のよいスタートとなった。

<今後の課題>

 新ブランド「にいがた和牛」が、先行する他県ブランドと肩を並べるためには、ブランド価値を高めていくことが不可欠である。

 今後は、品質保証をされた牛肉が消費者まできちんと届くという基本的な流通販売体制の整備と並んで、品質の高い牛肉を安定的に供給していくことが重要となる。

 去る平成15年10月24日、東京食肉市場で開催された平成15年度全国肉用牛枝肉共励会において、黒川村の河内松雄さんが名誉賞(全国一)を受賞した。県産和牛7年ぶりの快挙である。

 当県の肥育技術が高い水準を維持しながら広く普及することにより、「にいがた和牛」が全国に通用するブランドになるよう関係者が一体となって努力していくことが必要である。





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