◎地域便り


京都府 ●やっぱり「とり・たまご」は旨いんです!

近畿農政局/津江野 香織


 2月27日、「とうとう、近畿でも・・・」。近畿管内京都府において、国内79年ぶりといわれた高病原性鳥インフルエンザの3例目の発生疑いが報じられた。日を追うごとに波紋は広がり、ついには社会問題にまで発展した。

 周辺養鶏関係者にとっては、厳しい現実の始まりだった。

 府、関係市町村および地元住民のボランティアなどをはじめ、可能な限りの要員により大規模な防疫処置が進められた。4月13日午前零時をもって京都府が終息宣言を発表するまでの46日間。連日の過剰な報道により、風評被害は拡大し、関係業者の売上げは例年の半分以下にまで落ち込んだ。地元スーパーなどでは、生産者自らが店頭に立ち安全性のPRに努めた。しかし、食品の安全は確保されていても、消費者はやはり安心を求め続けた。

 まずは食べてもらおう!関係者が元気を出し風評被害を吹っ飛ばそう!安全宣言を皮切りに近畿の色々な場所で多くのイベントやキャンペーンが展開された。

 13日には、京都市市役所前広場にて「鶏肉・鶏卵消費拡大キャンペーン」が開催され、唐揚げ5百キロ、串焼き3千本、鶏卵5千パックを無料配布。大阪のなんばウォークほか全国8カ所では、道行く人に鶏肉が配られ、チラシとともに食品としての安全性を訴えた。最初の週末18日には、兵庫県の神戸メリケンパークでは「ひょうご味わい鶏フェスタ」が開催され、チキンカレーやけんちん汁などが用意された。また、京都市を流れる鴨川河川敷では「食の安心・安全フェスティバル〜とり・たまごフェア」が開催され、汗ばむような好天のもと約8万5千人の人々でにぎわった。5月5日には京都府丹波自然運動公園において「とり・たまごフェアin丹波」が開催された。どのイベントにおいても無料配布のコーナーには早くから長い行列ができ、各種調理品をその場でほおばる人々の顔には、笑顔がこぼれた。

 生産者、販売業者などともに、消費が発生前の状態にまで回復するには、少なくとも1年はかかるであろうと予測している。まだまだ関係者の苦労は続くが、「やっぱり、鶏肉も卵も旨いっ!日本人の食卓に欠かせない!」そんな思いを消費者の皆さんに再認識してもらい、一日でも早い回復を願ってやまない。

 
鴨川河川敷で開催された とり・たまごフェア会場
(4月18日)
 
とり・たまごフェアでの京都府が中心となったパレード

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