当機構では、農林水産大臣が指示した中期目標に基づいて、機構が定めた中期計画に即して、業務を進めており、その実績については、評価委員会の評価を受けることとなっている。このような組織運営の中で、従来、独立行政法人化前に設置されていた運営審議会等外部の意見を聞く機関が制度としては廃止されたので、機構が自主的に、畜産業務に関係する外部の方々の意見を聞く会を開催することとした。
その第1回を平成16年2月10日に機構の会議室で開催したので、以下に議事要旨を紹介する。
1 議 題
(1)機構の概要および畜産業をめぐる情勢について
(2)畜産業務に関する意見について
(3)その他
2 出席者
中村 祐三
上野 千里
高橋 勝
稲吉 弘之
梅原 宏保
寺内 正光
早川 久一
岩倉 捷之助
宇田 信夫
大野 晃
上嶋 棟一郎
増田 淳子
小林 信一
中瀬 信三
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全国農業協同組合中央会常務理事
全国酪農業協同組合連合会
代表理事会長
全国肉牛事業協同組合理事長
日本養豚事業協同組合理事長
社団法人日本養鶏協会会長代行
社団法人日本食肉市場卸売
協会会長理事
日本食肉輸出入協会副会長
酪農乳業情報センター事業推進委員会委員長
社団法人日本食肉加工協会
専務理事
社団法人日本乳業協会会長
銀座料理飲食業組合連合会
副理事長
ジャーナリスト
日本大学生物資源科学部教授
社団法人中央畜産会副会長
(順不同:敬称略) |
農林水産省
伊地知畜産企画課長、本藤総務課課長補佐他2名
当機構
山本理事長、菱沼副理事長、米田総括理事、伊藤総括理事、和田理事、山口理事、小林理事、 山端監事、渡部監事
3 意見・要望等
独立行政法人制度の概要、機構の中期目標、中期計画および年度計画並びに畜産をめぐる情勢および機構業務の概要について説明した。
次に各分野の出席者に所属団体等をめぐる課題や新しい方向等について、機構への要望事項を含めて意見を求めた。
出席者からは、次のような意見・要望等が出された。
(1)生産関係
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諸情勢に対応して緊急的に行う補助事業に係る予算の確保 |
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WTO、FTAなどの進展を踏まえた海外情報の充実・強化および情報ニーズの的確な把握 |
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ふん尿問題の重要性に鑑み、1/2リース事業等生産者の要望の強い事業に対する予算の拡充 |
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広域指定団体の機能強化のための指導 |
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新規就農を実現するための資金手当対策の拡充 |
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脱脂粉乳の過剰問題解決のための消費拡大対策の充実強化 |
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ふん尿問題など、肉用牛経営の抱えている課題 |
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自給率向上のための施策の充実 |
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食品残さの利用促進のための規制緩和 |
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悪性伝染病など、生産者だけで解決できない課題に対する取り組み |
(2)流通関係
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BSE対応としての特定部位の処理コストの増嵩等 |
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せき柱を処理できるような設備の導入、助成 |
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安定供給、消費者の牛肉離れの防止のための一日も早い牛肉輸入の再開 |
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豚肉の差額関税制度の抜本的な見直し |
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乳製品の円滑な輸入を通じた需給バランスの確保 |
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WTO、FTAなど国際化に対する中長期的な検討 |
(3)加工関係
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リース事業など既存の補助事業について事業主体として取り組みやすい執行の確保 |
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基金事業に係る資金運用規制の弾力化 |
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乳業の抱えている6つの課題 |
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(1)安全性確保による消費者の信頼回復
(2)原乳および乳製品の需給バランスの回復
(3)消費の拡大
(4)乳業経営の安定
(5)国際競争力の強化
(6)環境問題 |
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消費者の品質に対する反応について食品業界を挙げた取り組みおよび微生物、農薬などに対し、国際基準に合わせた規制の見直しの必要性 |
(4)消費関係
(5)その他
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コントラクター、ヘルパー制度など、経営継承システムの確立による就職ひいては新規就農の促進 |
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動物との接し方など小学生時代からの教育の必要性 |
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補助業務について、要綱の制定、その執行に当たり、国との円滑な意思疎通の推進および事業主体に対する効率的かつ弾力的な指導 |
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情報業務について、分析を加えるなど、提供する情報の高度化の推進および将来を見据えた情報提供のあり方の検討 |
なお、当機構では、これらの意見等を踏まえ、業務を執行することとしている。
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