<今、エゴマブーム!>
近年、エゴマが健康食品として注目を浴びている。
エゴマは、インドや中国南部が原産地のシソ科の一年草で、「じゅうねん」とも呼ばれている。
日本では、東北地方や中部地方で栽培が盛んで、福島県は全国一の栽培面積を有している。福島県内では、古くから農家のほ場の一区画で自家用に栽培され、エゴマ種実を使った「じゅうねん味噌」や「じゅうねん餅」が郷土料理として親しまれてきた。
また、近年の健康志向を追い風に町ぐるみでエゴマ栽培を推進し、エゴマ油を生産、地元の直売所で販売し好評を得ている事例も見られる。
<エゴマを豚に給与したら?>
福島県畜産試験場では、生活習慣病の予防に効果があるとされるα−リノレン酸を多く含むエゴマ種実に着目した。
これを県の系統豚「フクシマL」を用いた三元交雑豚に給与したときの効果について、平成9年より試験を実施してきた。
その結果、エゴマ種実をある量、一定期間給与することで、豚肉中のα−リノレン酸含量を高める結果を得た。
更に、食味試験を実施したところ、おいしく柔らかい肉であるとの評価を得た。
また、エゴマ種実の給与により肉中のビタミンEや旨み系アミノ酸が増加していることを確認した。
<誕生!うつくしまエゴマ豚>
こうした優れた試験結果が得られたことから、平成14年に福島市内で試験的にこの豚肉を販売したところ、大変好評を得た。
エゴマ種実を給与した系統豚「フクシマL」を用いた三元交雑豚を「うつくしまエゴマ豚」と命名し、「うつくしまエゴマ豚普及推進協議会」を昨年設立した。
協議会では、新たな本県独自の銘柄豚づくりのために生産から流通に至る各段階でのきめ細かな対応を図るため、生産・流通情報の提供や広報宣伝等の事業を実施する。
本年2月には、消費関係者、流通関係者、養豚生産者等を招き、「うつくしまエゴマ豚発表会」を開催し、「うつくしまエゴマ豚」のおいしさを広くPRしたところである。
現在、県内販売店での取り扱い希望量も増えており、今後、更なる生産拡大が求められている。
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うつくしまエゴマ豚発表会
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うつくしまエゴマ豚を使った料理
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