酪農乳業部
当機構では、主要乳製品の流通・消費の実態を把握するために、社団法人食品需給研究センターに委託して、「主要乳製品の流通実態調査」を毎年度実施している。
業種別消費量(推計) 平成14年度における国内のバターの推定消費量を89,800トン(農畜産業振興機構調べの推定出回り量)とし、その業種別および用途別の消費量推計を行った。
用途別消費量(推計) 次に、バターの推定消費量89,800トンの用途について見ると、「小売業」が22,400トン(全体の24.9%)で最も多く、次いで「菓子・デザート類」が14,200トン(15.8%)、「パン類」が12,400トン(13.8%)、「外食・ホテル」が9,400トン(10.5%)、「乳飲料」が6,000トン(6.7%)、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が4,800トン(5.3%)、「マーガリン類」が4,700トン(5.2%)、「調理食品」が2,800トン(3.1%)、「アイスクリーム類」が2,300トン(2.6%)、「乳等を主要原料とする食品」が1,800トン(2.0%)となっている(図2、表2)。
用途別消費量の推移(バター) 平成11年度からのバターの用途別消費量(推計)の推移は表3の通りである。
業種別の消費実態(国産バター) 1 乳業メーカー バターを生産している18社のうち、国産バターを社内消費しているのは14社であった。主な用途について見ると、「乳飲料」が26.3%で最も多く、次いで「はっ酵乳」が14.7%、「乳等を主要原料とした食品」が12.0%、以下「マーガリン類」6.4%、「調製粉乳」6.3%、「菓子類・デザート」5.5%の順であった(表4)。なお、その他の用途が 23.6%となっているが、その内訳はチーズ製品、クリーミングパウダー、コーヒークリームなどである。 2 アイスクリームメーカー 回答のあったアイスクリームメーカー 9社のうち、国産バターを使用しているのは8社であった。主な用途は「アイスクリーム」が多く、次いで「調理食品」となっている。 3 はっ酵乳・乳酸菌飲料メーカー 回答のあったはっ酵乳乳酸菌飲料メーカー12社のうち、国産バターを使用しているのは2社であった。主な用途は、「はっ酵乳」「乳酸菌飲料」「その他」(ヨーグルト)「アイスクリーム」となっている。 4 加工油脂メーカー 回答のあった加工油脂メーカー10社のうち、国産バターを使用しているのは9社であった。主な用途は「マーガリン類」「その他」で、それらの内訳はマーガリン、ホイップクリームなどとなっている。 5 製パン 回答のあった製パン業12社すべてで国産バターを使用している。主な用途は「パン類」(98.3%)となっており、食パン、バターロールなどの練り込み用に使用されている。 6 製菓 回答のあった製菓業50社のうち、国産バターを使用しているのは45社であった。主な用途は「菓子類」が98.4%を占め、その他「パン類」「アイスクリーム」となっている。「菓子類」の内訳はケーキ類、焼き菓子、パイ、クッキー、ビスケット、キャンディなどとなっている。 7 調理食品 回答のあった調理食品メーカー13社のうち、国産バターを使用しているのは10社であった。主な用途は「調理食品」で、内訳は、ホワイトソース、ハンバーグ用ソース、冷凍食品などとなっている。 8 外食産業 回答のあった外食産業20社のうち、国産バターを使用しているのは15社であった。主な用途は「調理用」「その他」「菓子・デザート類」「パン用」となっている。外食では調理用からデザート、パン練り込み用、トースト用などと用途が広い。 9 ホテル 回答のあったホテル60社のうち、国産バターを使用しているのは58社であった。主な用途は「パン用」が最も多く、次いで「調理用」「菓子・デザート類」となっている。
供給サイドから見た国産バターの今後の需要見通しは、やや増加と予測している。一方、需要者の今後の消費見通しはやや増加となっているものの、業種、企業により差異がみられる。「増やす・やや増やす」の割合が比較的高いのははっ酵乳、製菓、飲料となっている。
業種別消費量(推計) 平成14年度における国内の脱脂粉乳の推定消費量を173,600トン(農畜産業振興機構調べの推定出回り量)とし、その業種別および用途別の消費量推計を行った。
用途別消費量(推計) 次に、脱脂粉乳の推定消費量173,600トンの用途について見ると、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が59,200トン(全体の34.1%)で最も多く、次いで「乳飲料」が33,100トン(19.1%)、「飲料」が14,800トン(8.5%)、「パン類」が10,500トン(6.0%)、「菓子・デザート類」が9,500トン(5.5%)、「加工乳」が7,300トン(4.2%)、「乳等を主要原料とする食品」が6,800トン(3.9%)、「アイスクリーム類」が5,900トン(3.4%)、「マーガリン類」が4,400トン(2.5%)となっている(図5、表6)。
用途別・業種別消費量の推移(脱脂粉乳) 平成11年度からの脱脂粉乳の用途別消費量(推計)および業種別消費量(推計)の推移は表7、8の通りである。
業種別の消費実態(国産脱脂粉乳) 1 乳業メーカー 脱脂粉乳を生産している13社のうち、国産脱脂粉乳を社内消費しているのは12社であった。主な用途について見ると、「乳飲料」が36.1%で最も多く、次いで「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が34.3%、「乳等主要原料食品」が11.3%となっており、この3つが主な用途となっている(表9)。なお、「その他」の用途は、クリーミングパウダー、加工食品などとなっている。 2 アイスクリームメーカー 回答のあったアイスクリームメーカー 9社のうち、全社が国産脱脂粉乳を使用している。主な用途は「アイスクリーム類」が99.3%となっている。内訳はアイスクリーム、ソフトクリーム、氷菓などとなっている。 3 はっ酵乳・乳酸菌飲料メーカー 回答のあったはっ酵乳・乳酸菌飲料メーカー12社すべてが国産脱脂粉乳を使用している。主な用途は「はっ酵乳」が55.6%、「乳酸菌飲料」が35.0%となっている。 4 加工油脂メーカー 回答のあった加工油脂メーカー10社すべてが国産脱脂粉乳を使用している。用途は「その他」が85.7%で最も多く、その内訳はホイップクリーム、濃縮乳となっている。次いで「マーガリン類」が13.8%となっている。 5 製パン 回答のあった製パン業12社 のうち、11社が国産脱脂粉乳を使用している。主な用途は「パン類」で練り混み用となっている。 6 製菓 回答のあった製菓業50社のうち、国産脱脂粉乳を使用しているのは25社であった。主な用途は「菓子・デザート類」が50.6%、「アイスクリーム類」が27.5%などとなっている。具体的な内訳はビスケット、クッキー、クラッカー、チョコレート、焼き菓子、アイスクリーム、粉末飲料などとなっている。 7 飲料メーカー 回答のあった飲料メーカー9社のうち、国産脱脂粉乳を使用しているのは7社であった。主な用途は「飲料」である。具体的な用途は、缶コーヒー、清涼飲料、紅茶飲料などとなっている。 8 調理食品 回答のあった調理食品メーカー13社のうち、国産脱脂粉乳を使用しているのは9社であった。主な用途は「調理食品」70.2%および「その他」27.4%で、その内訳はハンバーグおよびミートボールの練り込み用、オムレツ、冷凍食品など用途は幅広い。
供給サイドから見た国産脱脂粉乳の今後の需要見通しは、やや増加と予測している。一方、需要者の今後の消費見通しは、企業によって差異がみられる。特にはっ酵乳、飲料では堅調な見通しとなっている。 |
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