茨城県養豚試験場(平成12年茨城県畜産センター養豚研究所に改称)は、全国に先駆け、昭和45年より系統造成を開始し、昭和54年に我が国第1号のランドレース種の系統豚「ローズ」を造成した。
その後、大ヨークシャー種「ローズW−1」, ランドレース種「ローズL−2」を造成した。
今回、茨城県畜産センター養豚研究所では、平成8年にアメリカ合衆国をはじめ県内外から能力の高い基礎豚を導入し、6世代の選抜を繰り返し、遺伝的に優れた能力の大ヨークシャー種の新系統を造成し、平成15年7月に社団法人日本種豚登録協会から「ローズW−2」として認定を受けた。
「ローズW−2」は、産肉性や繁殖性はもとより、肢蹄の強健性の改良も重視して行った。
「ローズW−2」の特徴は、
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体の巾、深みに富み、
後躯も充実した
ローズW−2の種雄豚
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1)肉質に悪影響を与えるPSE(豚むれ肉)遺伝子が排除されている。
2)体型は、体の幅、深みに富み、後躯も充実している。中躯の伸びは中程度である。
3)ロース断面積が大きい。
4)性格が非常に温和で扱いやすい。
5)肢蹄は、つなぎは弾力があり、蹄は左右が揃い、四肢は地面に垂直に立ち、強健性に富んでいる。
6)斉一性に富んだ子豚が生産される。
ことである。
現在「ローズW−2」は、茨城県系統豚供給センターで維持・増殖されており、当所では維持だけを行っている。今秋から本格的に養豚農家への配布が始まる予定である。
茨城県では、「消費者のベストパートナーとなる茨城農業」の確立を目指し、平成16年2月に「茨城農業改革大綱」を策定し、本県の銘柄畜産物である常陸牛、ローズポークなどを牽引役とした消費拡大対策を進めているところである。
「ローズW−2」は、本県の銘柄豚肉であるローズポークをはじめとした高品質豚肉生産に利用され、安全・安心な豚肉を安定的・継続的に供給することが期待されている。
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今秋から配布がはじまるローズW−2の子豚
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