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意見交換会(大阪市)
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平成16年8月24日午後、大阪市内の新聞社のホールにて、内閣府食品安全委員会、厚生労働省および農林水産省共催による表記の意見交換会が開催された。
会場には、消費者、食品など事業者、行政関係者など約570名が出席した。
この意見交換会は、これまで実施されてきた日本におけるBSE対策について、8月に内閣府食品安全委員会プリオン専門調査会が出したたたき台(食品安全委員会のホームページから閲覧可能)を踏まえての意見交換会であった。
まず、同プリオン専門調査会座長代理の金子清俊氏から「日本における牛海綿状脳症(BSE)対策について」と題して、日本でのBSEの経緯、対策の経過説明、とプリオン専委員会のたたき台などの説明があった。牛からヒトへの感染のリスクを科学的に評価し、「どこまでわかっており、どの点がわからないか」などを科学者の立場から慎重に言葉を選びつつ、簡潔に説明された。
次に、具体的なBSEのリスク管理対策について、(1)農林水産省の釘田国際衛生対策室長から「牛のBSE予防対策について」と題して、1)家畜衛生の観点でまん延防止対策を行っている、2)汚染源となる飼料規制を実施している、3)日本はと畜される牛全頭にBSE検査を実施し、飼料規制も行っているが、米国はサイーベイランスの2万頭のみでと畜場での検査を実施していない、4)米国は反すう動物由来の肉骨粉の豚・鶏への給与を認めており交差汚染の懸念がある、5)食肉のトレーサビリテイ制度を実施し安全確保に努めている旨の説明があった。(2)厚生労働省の坂梨監視安全課係長から「牛肉の安全対策について」と題して、1)BSE問題の概要、2)これまでの対策、3)と畜場におけるBSE対策フローと検査状況、4)感染牛の月齢分布、5)輸入規制などについて説明があった。
後半は、行政、食品事業者、生産者、消費者、食品安全委員会公募モニターらを含めた8人によるパネルデイスカッションが行われた。
食品事業者代表からは、(1)米国産牛肉の輸入禁止がどうなるか強い関心を持っている。(2)「たたき台」において、日本でのvCJD発生見込みを1人未満と科学的に推定しており、日本の牛肉は事実上安全である。(3)BSE全頭検査の費用と効果を鑑み、見直す時期に来ている。
一方、消費者代表およびモニターからは、(1)現行のBSE対策はうまく行っており、国民の信頼を得ている。(2)BSEは、未解明部分が多いので、全頭検査を見直すのは時期尚早。(3)日本と米国でのリスク評価の議論は分けて行うべきなどの意見が出され、食品事業者と消費者らは正反対の立場の意見であった。
また、生産者代表から若齢牛のBSE症例について疑問が出され、金子氏からBSE症例を否定できない、農水省から交差汚染の可能性もあるが、現在は厳重に措置している旨の回答があった。
また、複数のパネリストから「たたき台」の表現は慎重なあまり、非常にわかりずらいのでわかりやすくすべき旨の発言が出された。そのほか、現行の安全対策でのSRMの扱いや、ピッシング、スタンガンの問題などが議論された。
また、会場の参加者から、「現行のBSE対策を評価する」、「BSE検査の検出限界目標はどこにあるか」、「政治的圧力により検査体制を緩めるべきでない」、「牛エキスなど成分濃縮した食品もあるので、検査を緩めるべきでない」などの意見があり、検出限界の目標については、金子氏から「血液など生体検査ができることが一つの目標」との回答があった。
最後にコーデイネーターの中村靖彦氏が、科学者と消費者の双方向のコミュニケーションを更に進めて行く必要がある旨の発言があり、閉会となった。
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