宮城県/安達 裕美
宮城県農業公社は、平成13年度よりイネWCS(ホールクロップサイレージ)専用収穫機による収穫作業受託と、公社牧場での給与実証試験など多くの取り組みを行ってきた。 東北地域で飼料作物を栽培する場合、一部地域を除いて二毛作をするには難しい気象条件である。しかし、水田を利用したWCSでの飼料生産を目的とした場合、収穫時期が糊熟期(麦)、黄熟期(イネ)と早まり、栽培期間が短縮されるため、本県でもイネ・麦二毛作体系の取り組みの可能性が追求できる。 当公社では、自給飼料増産に係る取り組みの一環として、平成14年度から、水田機能を維持しながら優良な粗飼料増産を図ることと、WCS専用収穫機の有効活用などをめざして、イネWCSと麦類WCSによる二毛作体系実証事業を、南方町の公社保有地約2ヘクタールの水田で実施した。 その結果、大麦で10アール当たり1.8トン、イネは10アール当たり1.5トン程度の収量が得られた。 課題となることは、播種(移植)の遅れが生育・収量に大きく影響することから、収穫〜ほ場準備・播種などの切り替えをスムーズに行うことが挙げられる。今回の事例では、収穫から播種までに約1週間から10日ほどの期間を要し、作業のピークを迎えた。 給与については、公社白石牧場(イネWCS)・牡鹿牧場(イネWCS、大麦WCS)で実証試験を実施し、イネWCSの場合は茎葉よりも子実(穂先)を好んで採食するが、大麦WCSの場合は
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