背根神経節を含む牛せき柱については、「特定危険部位に相当する対応を講じることが適当」との評価の結果が、平成15年11月21日に食品安全委員会より示され、農林水産省においても、飼料用動物性油脂または肥料の原料として、牛のせき柱が含まれていないことを農林水産大臣が確認する仕組みを設けている。
農林水産大臣が行う確認は、(1)肥飼料検査所が飼料用動物性油脂および肥料原料製造業者(事業者)に対し、基本方針に従った製造が行われているかについて確認を行うこと、(2)確認を受けた事業者は、自ら原料収集先が契約(原料が牛のせき柱と分別されていることなど)を順守していることを確認することである。なお、(2)の確認には地方農政事務所が同行し、適切な確認が行われていることについての調査を受ける(以下「同行調査」という。)。
東京農政事務所管内におけるせき柱の飼料・肥料の使用禁止措置に係る原料収集先への同行調査は、平成16年4月から12月末までに、収集業者、食肉卸および食肉販売業者を合わせて約100業者になった。
同行調査を実施する上で原料(せき柱を除く牛骨・豚骨・牛豚脂など)および廃棄物(牛せき柱)の流れは複雑なものであった。都内の化製場(飼料用油脂・肥料原料製造)に、直接原料とせき柱を搬入する収集業者から同行調査を実施したが、最初の頃は収集業者の方の理解が得られず、なぜ、原料に牛のせき柱が混入しないようコンテナなどの専用容器を分別しなければならないのかを説明をしながらの調査となった。
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せき柱専用の分別容器
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原料の流れについては大体3パターンあり、(1)食肉卸・食肉販売業→化製場(化製場自ら原料収集)(2)食肉卸・食肉販売業→収集業者→化製場(3)食肉卸・食肉販売業→A収集業者→B収集業者→C収集業者→化製場に分けられる。特に、原料の流れが複雑になるのは、収集業者が複数介在する(3)の場合である。
中でも、収集業者に大手の者が介在すると収集先となる食肉卸・食肉販売業者のみならず他の収集業者も複数存在し、原料の流通が県域を越えた広範で複雑多岐にわたることから、確認作業も膨大なものとなる。
われわれは、今後も原料収集先に対する契約が適切に履行されているか調査をし、必要に応じて改善にかかる助言などを講じながら同行調査を実施していきたい。
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