◎地域便り


兵庫県 ●「食の安全・安心」に関するセミナーが神戸市で開催

神戸事務所


 平成17年2月8日(火)、神戸市において、当機構は内閣府食品安全委員会との共催により「食の安全・安心」に関するセミナーを開催した。

 当日は、食品安全委員会委員の寺尾允男氏を講師に迎え、「身近な食品の安全について」と題した基調講演が行われた。

 同講演では、わが国におけるBSE対策についての中間とりまとめならびに厚生労働省および農林水産省の見直し案について説明が行われた。

 「中間とりまとめ」については、わが国で最初にBSEが確認されてから約3年が経過したことを踏まえて、350万頭の検査データが集積されたことや、これまでに得られた科学的データに基づいて、ウシからヒトへのBSE感染リスクは様々な措置により極めて低いことなどが、国際的な知見(主にEU)を整理しながら説明された。

 国内措置の新しい見直し案については、

 (1)検査対象月齢を21カ月以上とすること

 (2)特定危険部位(SRM)管理状況の定期的実態調査の実施、およびSRMによる枝肉などの汚染を防止する措置の評価方法に関する研究開発に取り組むこと

 (3)飼料の輸入、販売、使用段階における検査・指導などについて、届出義務を負わせるなど交差汚染防止対策の強化を図ること

 などが挙げられた。

 講演後の意見交換では、消費者から「BSEのメカニズムが完全に解明されていない中で、検査対象から若齢牛を除外しても問題はないのか」、「牛肉の生産履歴については、与えられた飼料の情報も加えるべきではないか」などといった質問が出され、寺尾氏から「現在のBSE検査には検出限界があることから、若齢牛を検査することの意義が見いだし難い」旨、また、機構側から「飼料給与履歴の開示については、一部実施中である」旨それぞれ回答がなされるなど活発な議論が行われた。

 なお、セミナー終了後に実施したアンケートで、「今後、取り上げて欲しいテーマは?」との設問に対し、「食の安全・安心」(35.2%)、「食品表示問題」(35.2%)、「食料自給率、食料の安全保障」(29.5%)などが上位を占めた。

 
食品安全委員会委員 寺尾允男氏の基調講演の様子

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