◎地域便り


広島県
●水田へのたい肥施用を中心とした
 耕畜連携を進めるための現地検討会を開催
 〜たい肥利活用推進における耕畜連携の重要性を再認識〜

中国・四国農政局/高村 和彦 


 中国四国農政局は10月14日に広島県北広島町で耕種農家と畜産農家が連携した飼料イネ生産と稲わら収集、たい肥交換など・たい肥利活用の更なる推進を図ることを目的に「たい肥利活用推進協議会現地検討会(in 広島)」を開催した。中国四国地域の行政機関、農業者団体、農家、研究機関など約90名の参加があった。

 当日は午前中、地元の7戸の畜産農家の牛ふんからたい肥を生産している「大朝堆肥センター」並びに農事組合法人「いかだづ」の飼料イネ栽培ほ場の現地において、取り組みの概要説明を受けるとともに、参加者と管理運営者との間で管理や運営の状況などについて活発な質疑応答が交わされた。

 午後からは、広島北部農業協同組合千代田支所に会場を移し、(独)農業・生物系特定産業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター総合研究部の井上主任研究官から、「耕畜連携によるたい肥利活用の実態と課題」について、研究面からの話題提供をいただいた後、大朝町飼料イネ生産組合の渡邊組合長、庄原市役所口和支所の福原係長、(社)岡山県畜産協会の大村調査役の3氏から、(1)耕畜連携によるたい肥利活用と飼料イネ発酵粗飼料生産および稲わら収集、(2)稲作農家でのたい肥利用などの事例紹介が行われた。その中で耕種農家におけるたい肥の利用意欲は高いものの実際の水田における利用割合は1割程度という現状であり、(1)耕種・畜産農家間の情報交換・意見交換の場、(2)耕畜連携を担う当事者の積極的な参画・関与、(3)更なる運搬・散布サービスの整備・拡充が必要と報告された。

 その後、広島県立畜産技術センター環境資源部の酒井部長をコーディネーターにパネラーには前記の話題提供・事例紹介者に生産局畜産部畜産企画課の田島係長、中国四国農政局生産経営流通部佐野部長が加わり、水田へのたい肥施用を中心とした今後の耕畜連携のあり方についてパネルディスカッションを行った。討論の中で、耕種と畜産サイドが互いの現状と課題、問題点を認識した上で、今後水田へのたい肥利活用推進には、(1)稲作農家は一般的にたい肥の品質より価格を重視する傾向、(2)水稲栽培に当たって「たい肥利用を前提とした栽培マニュアル(栽培暦)」の作成及び普及、(3)たい肥の利活用推進のためには、地域の枠組み(体制づくり)、地元の推進リーダー(耕種・畜産農家)、サポーター(行政、JA等)の「三拍子」が揃った耕畜連携が不可欠であり、今後の耕種農家、畜産農家の連携によるたい肥利活用を推進することが必要であると参加者共通の認識が得られた。


農事組合法人いかだづの飼料イネほ場
提供:独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター総合研究部経営管理研究室 主任研究官 井上憲一氏

元のページに戻る