◎地域便り


京都府 ●「BSEを考えるシンポジウム」開催される

近畿農政局 畜産課


 平成16年11月5日(金)、京都市内「キャンパスプラザ京都」講義室において、近畿農政局および近畿各府県畜産技術連盟が主催する「BSEを考えるシンポジウム」が開催された。当日、管内から畜産技術者、消費者、生産者、食肉流通関係者など140名の参加があった。

 シンポジウムは、『BSEと、その食へのリスクについて』と題して、国立精神・神経センター神経研究所の金子清俊部長から、『BSEのリスク管理とリスクコミュニケーション』と題して、京都大学大学院新山陽子教授から講演が行われた。

 金子部長からは、BSEのヒトへのリスクについて概説され食品安全委員会として、「中間取りまとめ」は、過去3年間日本で採られたBSE対策についての検証と検討を行ったもので、事実を科学的に審議したことが強調された。

 また、新山教授からは、BSE対策におけるリスクコミュニケーションの経過と問題点や課題が指摘され、今後のリスク発生には、行政・研究・消費者がそれぞれどのように向かい合っていけばよいか提言があった。更に、消費者のきめ細かさが、リスク対策のコストを高める場合もあるとも。

 
 
パネルディスカッションの様子
 

 パネルディスカッションでは、放送大学京都学習センター宮崎昭所長の司会により進められ、消費者・生産者・食肉流通関係の各団体のバネラーの方々より、この時期の全頭検査廃止への疑問、国産牛肉も必要だが米国産も必要、双方向での意見・情報交換の場が必要、継続的な情報の提供などの意見が出された。

 行政側の農林水産省姫田情報官から日米協議については、合意に向け認識を共有したのであって、今後の米国からの提案については、内外不差別の原則のもと食品安全委員会にも諮りながら判断していくとの説明があった。

 さらに、会場との意見交換では、「食品安全委員会は外圧に負けないように」「消費者・生産者の声を政策決定に反映を」との要望や、日本人は遺伝的にBSEの感受性が高いのではとの声も。

 最後に、姫田情報官より20ケ月齢以下の検査をやめることは皆さんのリスクを高めようとする意図はない。SRMの除去、飼料規制強化により国内のBSEを根絶すべく食品安全委員会に諮問しているところである。リスクコミュニケーションを深めるためには可能な限り消費者の集まりにも出向くなどの発言をもって終了した。


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