◎地域便り


島根県 ●島根県養鶏協会が鶏卵トレーサビリティ情報の提供を開始

島根県/持田 力男


   島根県養鶏協会は、平成16年度に島根県の補助を受けて、鶏卵トレーサビリティ情報の提供を開始したので、その主な経緯について紹介する。

 島根県養鶏協会(会員は42名(正会員(養鶏場)24名・賛助会員(関係機関団体)18名)は、「しまねのたまごの三大理念 安全・安心・新鮮 私たちがお届けします。」を標語として掲げ、種々の取り組みを行っている。取り組みの主なものとしては、衛生対策として鳥インフルエンザに対する防疫、消費拡大対策として、鶏卵流通調査、生産者懇談会および鶏卵流通懇談会の開催、後継者対策として、後継者グループ研究会の開催が挙られる。また、毎年、通常総会に併せて行っている平成16年度で第27回を数える鶏卵品質改善共励会、同じく第16回目となる社会福祉施設への鶏卵の贈呈などの取り組みも行っている。

 このような中で、平成16年度に鶏卵トレーサビリティ情報(以下「トレサ情報」という。)の提供を行うこととした。取り組みの目的は、地産地消と連動し、県内における「しまねのたまご」の流通のシェアの維持拡大を図ることを主なねらいとし、安全・安心・新鮮な「しまねのたまご」の生産を行うための情報発信に努めるとともに、養鶏協会員相互の情報の共有を効果的および効率的に行うことである。 4月1日には、島根県養鶏協会鶏卵トレーサビリティシステム整備委員会(委員長 福田賢治)(以下「トレサ委員会」という。)を設立し、 全国農業協同組合連合会ひろしま鶏卵株式会社の視察に出向くなど情報収集を行っている。トレサ委員会においては、基本的な実施事項として、(1)トレサ情報の提供は24養鶏場が取り組める内容とすること、(2)トレサ情報の構築に当たっては24養鶏場自らが取り組みを行うこと、(3)関係機関団体からデータの提供をいただくにあっては理解を得られるよう十分な説明を行うこと、(4)システム構築後のトレサ情報の更新に当たっては養鶏場自らが取り組みを行うことなどの取り決めた。さらに、平成17年 2月には、トレサ情報運用管理規程を施行し、平成16年度末より、養鶏協会トレサ情報の提供を開始する運びとなった。このシステムの特徴は、消費者、流通業者および小売業者などが、安全・安心・新鮮な「しまねのたまご」を購入することが出来るように、パソコンのみならず、携帯電話を利活用してQRコード( 2次元バーコード)を読み取り即刻生産情報を得ることにある。なお、取引先の各店舗などには、QRコードを記載したPOPおよびチラシの掲示を行っている。

 単期間に、養鶏協会トレサ情報の提供を開始する運びとなった主な要因としては、組織が一丸となって取り組みを行ったことが挙られる。

 養鶏協会では、毎年度、特定の課題を決め、全員でこの課題の克服を行っていき、このような事例を紹介することが、畜産業界のさらなる発展に繋がるものと期待している。

鶏卵トレーサビリティの仕組み
2次元バーコードをつけたシール


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