茨城県/鹿志村 均
3月下旬、茨城県畜産大賞(以下「大賞」という。)の表彰式が関係者多数の出席の下盛大に開催された。 大賞は、(社)茨城県畜産協会が、平成16年度に制定したもので(図1)、畜産技術の向上や将来の経営に希望を与えるなど本県畜産の名声を高める功績に対し、表彰する制度となっている。選考方法は、茨城県畜産大賞選定委員会を設置し、厳正な選定会議を経て決定した。今回は、初年度ということもあって応募点数も予想よりやや少なめであったが、次の6点が入賞した。 経営部門で最優秀賞に輝いた日立市十王町の(有)加藤牧場(代表取締役 加藤洋明)は、肉用牛(黒毛、肥育)600頭規模で、出荷頭数の80%以上が4、5等級に格付けされている点、畜産環境対策にも地域ぐるみで早くから取り組み、資源循環型を確立している点などが評価された。 技術開発部門で最優秀賞となった茨城初生ひな鑑別士会(会長 川又勝男)は、初生ひな鑑別士を組織化し、会員相互の技術向上を積極的に進め養鶏日本一の茨城を支えるほか各種農業畜産イベントなどでは、ひな鑑別の実演を行うなど畜産の理解活動に尽力されている点が評価された。 経営指導部門で優秀賞を受賞した石岡市鈴木昇氏は、酪農を通じて生協など消費者との交流活動や自家産生乳を原料にヨーグルト製造・直売(個人による事業化は県内で初)などで評価された。 同部門で優秀賞の岩間町弓家善一氏は、酪農経営の改善、特に県酪農協連の乳牛改良委員会副委員長として活躍する傍ら自らは県内で初のエクセレント牛を誕生させるなど牛群改良に努められた点で評価された。 地域振興部門優秀賞の(株)美野里ふるさと食品公社(代表取締役 佐久一雄)は、地元で生産された生乳を使ったこだわりヨーグルトなどの製造販売により地域活性化につながっている点で評価された。 また、特別功労賞の中田俊男氏は、乳業、畜産の理解、普及のために自ら集めたコレクション(世界の畜産、酪農及び乳業関係の器具や装飾品)を展示し牛乳博物館として県民に広く開放されている点で評価された。 代表謝辞の加藤洋明氏は、初めての大賞を受賞できて大変うれしい。地域に戻って、少しでも畜産の発展に尽くしたいと抱負を語った。 第1回の表彰を終え、この大賞が、年々すばらしい畜産技術向上の取り組みやアイデアを発信できることを期待したい。
|
元のページに戻る