◎地域便り


北海道 ●「牛を見る眼」を養う −新冠で中央審査研究会−

(社)日本ホルスタイン登録協会


 (社)日本ホルスタイン登録協会は平成16年9月8日から3日間、北海道静内町の(独)家畜改良センター新冠牧場で平成16年度中央審査研究会を開催した。

 この審査研究会は、乳牛の改良指導に携わる技術者を対象に、ホルスタインの体型審査について技術の習得と審査眼の統一を図るために毎年開かれている。今回は18道県から26名が出席した。

 体型審査は各家畜で広く行われている。その目的は、乳牛の場合、順調に1年1産の分娩と牛乳生産を繰り返し、長年にわたってより多くの牛乳を生産できるよう、健康でしっかりとした骨格や四肢しし、優れた乳用性、形のよい乳房を備えることである。

 そのためには体型審査によって、体の各部位が理想にどのくらいかなっているかを得点や数字で判定するものである。

 ホルスタインは1年間で約9千キログラムの牛乳を生産するが、1産目でより多くの乳量が出たとしても、四肢が弱く、乳房が大きすぎて垂れていては長持ちできない。それよりは骨格や四肢が強く、しっかりした乳房の方が長持ちして、一生涯での合計乳量は多く、より多くの後継牛を残すことができる。

 研修会では、審査のルールブックである「審査標準」を勉強した後、実際に教材牛を使って、体の大きさやあしの立ち方、乳房の形状など約20項目を1〜9のスコアによって評価し、体全体について100点満点で得点を付ける。2日半で約20頭の教材牛について答案提出し、担当審査委員からの回答をに基づいて審査眼を養う。

 現在、初産牛(2歳級)の平均審査得点は79点、成牛(5歳半以上)では84点程度である。日本のホルスタイン雌牛最高得点は95点で、これまで北海道で5頭出ている。

 現在、全国で毎年6万頭余のホルスタインの体型審査が行われている。これらの体型記録は、血統(牛の戸籍)や産乳記録とともに(独)家畜改良センターで計算され、遺伝的に優れた乳用種雄牛や雌牛を選抜するために使用されている。

 
初日午前中は、ホルスタイン種審査標準について講義室で視聴覚によって勉強
牛舎内で、教材牛を用いて、担当審査委員から体型の良否について説明を受ける

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