内閣府 食育推進室
参事官補佐 小野寺 慎司
平成17年6月10日に第162回国会で成立し、同年7月15日に施行された食育基本法(以下、「基本法」という。)とその施行後の動きについて紹介します。
食育を推進する目的 国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむため、基本法では、食育を次のように位置付けています。
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図1 エネルギーの栄養素別摂取構成比(平成15年、性・年齢階級別)
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図2 朝食の欠食率
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図3 児童生徒の朝食の欠食(平成7年度→平成12年度) 子どもが朝食をとらない割合が増加傾向にあります。
資料:独立行政法人日本スポーツ振興センター |
図4 BMIの区分による肥満、普通体重、低体重の者の割合
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図5 糖尿病有病者の推移(推計値)
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食育を推進するに当たっては、実践する方の目的やその対象、居住する地域などによって、取り組まれる内容が異なってくると思いますが、基本法では次のような取り組みが進められることが規定されています。
−家庭における食育−
●親子で参加する料理教室など、望ましい習慣を学びながら食を楽しむ機会の提供。
●健康美に関する知識など、適切な栄養管理に関する知識の普及及び情報の提供。
●妊産婦に対する栄養指導、乳幼児など子どもの発達段階に応じた栄養指導。
−学校、保育所等における食育−
●食育の推進のための指針の作成。
●食育の指導にふさわしい教職員の設置など、食育に関する指導体制の整備。
●学校、保育所等又は地域の特色を生かした学校給食等の実施。
●農場等における実習、食品の調理、食品廃棄物の再生利用など、様々な体験活動。
−地域における食生活の改善のための取り組み−
●健全な食生活に関する指針の策定や普及啓発。
●食育の専門的知識を有する者の養成や資質の向上とその活用。
●保健所、市町村保健センター、医療機関等での食育の普及や啓発活動。
●医学教育等における食育に関する指導の充実。
●食品関連事業者等が行う食育の推進のための活動。
−生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化−
●生産者と消費者との間の交流の促進等により、生産者と消費者との信頼関係を構築し、食品の安全性の確保、食料資源の有効な利用の促進及び国民の食に対する理解と関心の増進を図る。
●農林水産物の生産、食品の製造、流通等における体験活動。
●地場農産物の学校給食への利用などの地産地消の促進。
●創意工夫を生かした食品廃棄物の発生の抑制や再生利用。
−食文化の継承のための活動−
●伝統的な行事や作法と結びついた食文化や地域の特色ある食文化など、わが国の伝統のある優れた食文化の啓発や知識の普及。
−食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査、研究、情報の提供及び国際交流の推進−
●食品の安全性、栄養、食習慣、食料の生産、流通及び消費、食品廃棄物の発生及びその再生利用の状況についての調査と研究。
●国民の食生活に関する必要な各種情報の収集、整理及び提供、データベースの整備など、食に関する正確な情報を迅速に提供。
●海外における食品の安全性、栄養、食習慣等の食生活に関する情報の収集、食育に関する研究者等の国際的交流、食育の推進に関する活動についての情報交換など、国際交流の推進のために必要なこと。
これまでも、自発的に食育に取り組んできた諸団体や地方公共団体がありました。また、食育を推進するため、文部科学省、厚生労働省、農林水産省などが中心となって様々な取り組みを進めてきました。
これからは、「食育推進会議」が中心となって、多様な関係者の連携を図りつつ、これまでの取り組みを一層充実、発展させ、食育を国民的な運動として総合的かつ計画的に推進していくこととしています。
国民一人一人が、まさに自分や家族の問題として食生活を見つめ直し、家庭、学校、保育所、地域その他の社会のあらゆる分野における食育の活動に参加、協力していただくとともに、生涯にわたって健全な食生活を実践していただきたいと考えています。
農畜産業振興機構においてもホームページの消費者コーナーで食育に関するさまざまな情報を紹介しています。(http://www.alic.go.jp) |
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