１　加齢とともに増える魚、減る食肉

　２大たんぱく源である魚介類と肉類の消費動向を年齢別に見ると、加齢につれて、魚介類は増加し、肉類は減少するという傾向がはっきりしている。

　厚生労働省の平成15年国民健康・栄養調査から年齢別の栄養素等摂取量を見ると、魚介類は、7-14歳が60.6グラム/日と最低で、加齢とともに増加し、60代が110.9 グラム/日となり、その差は1.8倍である（図１）。

図１　魚介類と肉類の年齢別摂取量（15年）

　一方、肉類は15-19歳が125.1グラム/日と一番多く、加齢とともに減少し、70歳以上では45.0 グラム/日と、その差は2.8倍で、世代の違いによる差が魚介類に比べて大きい。

　肉類と魚介類の摂取量が逆転するのは40代である。

２　男性の肉類摂取は加齢で減少大きい

　肉類について、男女別にみると、一番多く摂取する年代は男女ともに10代後半であるが、男性149.4グラム/日に比べて、女性102.3グラム/日と、女性の摂取量は男性の約7割である（図２）。

図２　魚介類と肉類の年齢別摂取量（15年・男性）

　 加齢による減少傾向は、男女ともに同じであるが、男性の10代後半の摂取量が高いこともあり、男性は加齢による減少率が大きくなっている（図３）。

図３　魚介類と肉類の年齢別摂取量（15年・女性）

３　経年的に肉類は横ばい、魚介類は減少

　肉類摂取量が最高の15-19歳と魚介類摂取量が最高の60-69歳の摂取状況を比較してみる。

　まず、15-19歳の摂取量を食品群別に見ると、穀類517.7グラム/日が最も多く、その次に多いのが、嗜好飲料類427.3グラム/日、野菜類243.1グラム/日、乳類182.1グラム/日、次いで5番目に肉類125.1グラム/日となっている（図４）。

　この年代の経年変化を見てみると、肉類摂取量は120グラム/日前後で推移しているが、魚介類摂取量は年を追うごとになだらかに減少していることが分かる（図６）。

図４　15-19歳 の１日当たり食品群別摂取量 1,998グラム/日（15年）

図６　15-19歳の年別魚介類・肉類の摂取量の推移

　次に60-69歳の摂取量を食品群別に見ると、最も多いのが嗜好飲料類で706.9グラム/日（お茶が多いと思われ、15-19歳よりも279.6グラム多い。）、次いで、穀類484.7グラム/日、野菜類339.3グラム/日、果実153.8グラム/日、5番目に魚介類110.9グラム/日、6番目が乳類106.2グラム/日となっていている（図５）。

　魚介類の摂取量が一番多いこの年代の経年変化を見てみると、魚介類の摂取量は年々減少傾向にある。一方、肉類については、60グラム/日弱でほぼ安定している（図７）。

図５　60-69歳の１日当たり食品群別摂取量 2,344グラム/日（15年)

図７　60-69歳の年別魚介類・肉類の摂取量の推移

　以上のように世代にかかわらず、全体的に肉類摂取量は横ばい、魚介類は減少傾向であることは興味深い。