(独)家畜改良センター宮崎牧場において新たな豚の系統「ユメサクラ」が完成したので紹介します。

　本系統は、平成７年から約10年かけて造成したデュロック種の雄型系統で、「発育の早さ」と「ジューシーな肉質」、そして「安全・安心なＳＰＦ豚」の３つの特長を有しています。

「ユメサクラ」の特徴

○発育の早さ：１日平均増体重（30kg〜105kgの間）が１kgを超えており、105kg到達日令も130〜140日と非常に早い発育が最大の特長である。また、ロース断面積および背脂肪の厚さ（いずれも105kg時、体長1/2部位）も適度なものとなっている。

○ジューシーな肉質：「加熱損失」、「圧搾肉汁率」、「破断応力」が当センターで造成した従来の系統などと比較しても優れた値を示しており、加熱してもジューシーでやわらかい肉となっている。また、ロース芯内に「サシ」も入る。

○安全・安心なＳＰＦ豚：日本ＳＰＦ豚協会規程に基づき飼養管理を行っており、「トキソプラズマ」、「豚萎縮性鼻炎」、「マイコプラズマ肺炎」、「豚赤痢」、「オーエスキー病」に加え「ＰＲＲＳ（豚繁殖・呼吸障害症候群）」がフリーであり、血液検査およびと場での病変検査などにより、豚の健康を定期的にチェックしている。

新系統「ユメサクラ」の能力

　今後、当場から全国に向け配布することとしているが、併せて、「ユメサクラ」の普及を一層進めるための外部における維持・増殖体制の整備にも取り組んでいく必要あると考えている。「ユメサクラ」は、肉豚生産における三元交雑の止め雄としての利用が主体となるものの、育種改良の素材としての活用も期待でき、また、種豚の配布だけでなく精液の配布も行っていますので、大いに活用していただきたいと考えています。

　利用や購入などについてのお問い合わせをお待ちしています。

ユメサクラの種雄豚

ユメサクラの豚肉