札幌市消費者センターは、平成18年6月24日(土)、札幌市の札幌エルプラザにおいて、寺西正俊氏(雪印乳業株式会社酪農総合研究所部長)を講師に迎え、「モォーと牛乳でしょう」と題して、子ども牛乳体験講座を開催し、札幌市内の小学生30名が親子で参加した。
この講座は、小学生に、牛乳の特性を学んで、作って、味わってもらい、消費拡大につなげることが目的で、小学生は5グループに分かれて、酪農家秘伝の牛乳豆腐とホエイ(乳清)を利用した牛乳デザート「ミルクかん」作りに挑戦した。酪農家秘伝の由来は、子牛が生まれ母牛が初めて出す初乳は成分が牛乳と異なり市場に出せないので、酪農家は、この初乳を利用して牛乳豆腐をつくるからである。
牛乳豆腐の作り方は、牛乳1リットルを鍋で沸騰直前まで温めて、火を止めてから、レモン汁30ccを入れ、軽く混ぜ、しばらくすると、牛乳の固形分とホエイに分離してくるので、それをざるでこして、木綿の布で丸く形を整えておけば完成。次に、デザートのミルクかんは、牛乳豆腐をこしたあとに残ったホエイ600ccに寒天を8グラム入れて2分ぐらい煮立たせ、砂糖90グラムと牛乳400ccを加える。砂糖と牛乳が混ざったら火を止めて、バットに流し氷水で冷やして固めて、出来上がり。
牛乳を温めて表面に膜が出来る様子やそれをかき混ぜてもまた膜が出来たりと、子供たちは、鍋の中をのぞき込みながら観察していた。牛乳が沸騰して、ふきこぼれたりしている班もあったが、レモン汁で牛乳が分離する様子に驚きながらも、なんとか無事に、完成していた。
ミルクかんを冷やして固める間に、講師の寺西氏から酪農家の仕事や牛乳についての話があった。まず、当たり前のようで、知らない人もいる話として、牛乳は、すべての乳牛から搾れるのではなく、人間と同じように雌の乳牛が妊娠、出産をして、初めて搾ることができ、本来、子牛が飲む貴重な牛乳を人間が飲んでいるのであること、その牛乳は、たんぱく質(カゼイン)、糖質(ラクトース)、脂質(乳脂肪)、カルシウムなど牛乳全体の約1割以上を固形分が占めており、人間にとって、すばらしい栄養食品であることを説明された。また、乳牛の大きさやその種類、乳牛の飼料の種類、搾乳から輸送までの牛乳形態、牛の胃が4つある話など専門的な説明もあった。小学生には、難しい内容ながらも、子供たちは興味深く話を聞いていた。
講義が終ったところで、みんな楽しみにしていた試食となり、牛乳豆腐には、サラダ風にドレッシングを、ミルクかんには、デザート風にホエイでのばしたイチゴジャムをかけ、おいしいと言いながらみんな食べていた。中には、ソースやドレッシングが配られる前に、何も付けずにあっという間に食べてしまった子や、子供から一口もらって味見をしているお母さんたちが印象的で、子供たちも「家で作ってみる」と親子ともに満足していた。
どうやって作るのかな |
子ども牛乳体験講座教室の様子 |
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