◎地域便り


佐賀県 ●安心・安全・おいしい「肥前さくらポーク」

佐賀県/内川 浩一


 食の地産地消の取り組みを背景として、豚肉の銘柄化が全国的にも増加しているが、肥前さくらポークは佐賀県下のJAグループが平成5年よりブランド化し、生産・販売に取り組んでいる高品質な豚肉である。

 肥前さくらポークの特徴とは?

 まず、生産するのは佐賀県内の中核となる20戸の指定養豚農家で、豊かな大自然に囲まれた地域で生産された肉豚である。さらには、良質豚肉づくりのポイントである飼料は、こだわりのブランド専用飼料を給与している。仕上げ飼料には海藻粉末を添加。海藻はビタミンやミネラルを多く含み、豚の免疫力を上げることで豚が健全に育つことが期待できる。また麦を配合することにより、肉質・脂質の向上につながる。その肉質は、あざやかなサクラ色の肉色、また脂には甘みがあり、肥前さくらポークのおいしさは販売先や消費者から非常に好評を得ている。

 J A佐賀経済連では肥前さくらポークの、さらなるブランド確立に向け、県内外での販売に力を入れ、差別化商品としての有利販売を実施している。

 県内では、経済連ミートセンターを核として、Aコープ店を中心に供給しているほか、地元の精肉店などへ販売している。

 また、平成9年度から取扱指定店制度を発足させ、県外では主に北部九州や中四国地方でも販売されている。

 今後もJAグループとして、飼育中に使う抗生物質を極力抑えるなど、生産者とともに安心・安全・おいしさにこだわった「肥前さくらポーク」の生産に努め、消費者に喜ばれる豚肉の安定供給を図っていきたい。

 この「肥前さくらポーク」を生産している農家の一人がJAからつ養豚部会の部会長も務める山中真二さん。種付・分娩・子豚育成から肥育豚出荷まですべてを管理する一貫経営であり、母豚規模は250頭で年間約5,000頭の肉豚を出荷している。唐津市肥前町の山間地にある農場は、周囲を緑に囲まれ、鳥のさえずりが静かに響く、すばらしい環境の中にある。

 山中さんはふん尿処理についても、環境への配慮がなされている。ふんは2つのたい肥舎で切り返し発酵して完熟たい肥を生産。地元の耕種農家へ販売している。また尿も補助事業(畜産環境整備リース事業)を活用して浄化槽を整備した。さらに豚舎裏の竹林から採取した土着菌をオガコ豚舎の敷料に混ぜて活用しており、土着菌効果により、豚舎周囲の臭いは驚くほど少ない。

 山中さんは、「環境に気を配り、抗生物質をなるべく使わない飼育管理に努めることで、安全性をさらに追求した肥前さくらポーク生産を目指したい。」と話している。


「肥前さくらポーク」とんかつ用ロース



「肥前さくらポーク」のシールラベル
 

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