生産局畜産部 食肉鶏卵課 食肉需給対策室 西端 暁久
1 日豪牛肉需給情報交換会議について本会議は、1977年1月、東京で開催された第4回日豪閣僚委員会において、当時の鈴木農林大臣がシンクレア第一次産業大臣に対し、牛肉をめぐる日豪双方の理解を深めるための定期的な情報交換のための会合を持つことを提案して設置されたものである。1977年に豪州の首都キャンベラで第1回会合が開催され、以後、概ね日豪間で1年毎に主催国を変えて実施されてきたところである。 29年目を迎えた今年は、去る10月26日に東京での開催となり、最近の両国の牛肉需給動向をはじめ、FTAをめぐる情勢、和牛の表示に関する検討状況などの最新の動向について情報交換を行ったので、その概要を報告する。
|
○ 我が国における牛肉の供給量 |
(2)日豪経済関係強化のための共同研究について
・豪州側から、わが国農業のセンシティビティの高さやフレキシビリティの必要性について認識しつつ、日豪FTAの締結は、わが国の食料安保等にも貢献するとともに、日豪双方の牛肉関係業界にメリットをもたらすものであるとし、早期の交渉開始を求める見解が示された。
・日本側からは、FTAの締結により、豪州産牛肉の関税が撤廃された場合、わが国の肉用牛産業が深刻なダメージを被ることを指摘した。
(3)和牛の知的所有権・表示等に関する検討について
日本側から、「家畜の遺伝資源の保護に関する検討会」の中間取りまとめの概要及び、「食肉の表示に関する検討会」における検討状況について概要を説明した。
豪州側からは、種畜の遺伝子情報もあるため、豪州産和牛も「和牛」表示が可能ではないか、また、将来的に豪州の和牛認証制度の枠組みが日本の制度に当てはまるのかどうかを議論したい旨の発言があった。
日豪両国には、牛肉産業が農業の中の基幹的部門であるとの共通した背景があり、今後とも、本会議の開催を通じて、それぞれの置かれた立場を十分に理解し合い、長期的観点に立った友好的な牛肉の貿易関係を発展させていくことが重要であると感じた次第である。
元のページに戻る