茨城県/吉葉 めぐみ
去る10月17日、茨城県県南地方総合事務所主催の「筑波地鶏」料理セミナーが、茨城県つくば市のオークラフロンティアホテルつくばにおいて開催された。このセミナーは、「筑波地鶏」の知名度の向上と、つくばエクスプレスの開通で観光客が増加している地元での需要の拡大を目的に、試食とアンケート調査を行ったもので、つくば市内を中心としたホテル・料理店関係など104名が参加した。 「筑波地鶏」は、平成15年に茨城県畜産センター養鶏研究室で、比内鶏とロードアイランドレッドの交雑種(♀)とホワイトコーニッシュ(♂)を交配して作り出した品種で、同年に地鶏肉の特定JAS規格の認定を受けた。しかし、本格生産されてからまだ日が浅いため知名度が低く、生産が伸び悩んでいる。 そこで、茨城県県南地方総合事務所では、「筑波地鶏」ブランド化調査検証事業検討委員会を立ち上げ、「筑波地鶏」の新たな需要の創出とブランド化の確立を図る取り組みを始めた。 セミナーでは、まず、生産と地元への販売を行っているやさと農業協同組合の田仲義男課長からその特徴について、「筑波地鶏」は抗菌性物質、遺伝子組み換え原料を飼料に使わず、ポストハーベストフリー、純植物性な飼料で臭みのない鶏肉、開放鶏舎での健康的な飼育環境など、「人」「風味」「鶏」への“やさしさ”がコンセプトであるとの説明があった。 次に、中川学園調理技術専門学校の眞嶋伸二部長より料理の特性について「この地鶏はあっさりした、臭みのないダシがよく出て、かむほど味が出る。特徴を良くつかみ、「筑波地鶏」に適した方法を選んで調理する必要がある」とのお話しがあった。 続いてオークラフロンティアホテルつくばより「筑波地鶏」を使った和洋中計8品の料理が出され、当ホテルの林総料理長から料理の趣旨について説明があった。試食した調理人の方からは「臭みがなく、あっさりしていて幅広く調理できそう」「しゃもとブロイラーとの中間の適度な硬さでよい」など、関心を持つ声が聞かれた。 今後は、回収したアンケート結果などから実需者の需要傾向を把握し、今後の効果的な販売先確保のための基礎データとして活用していきたいと考えている。
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