◎地域便り


鳥取県 ● 公共牧場で畜産振興と地域振興を!

中国四国農政局/村山 昭彦


 10月10・11日の両日、(社)日本草地畜産種子協会など関係機関主催で、平成18年度公共牧場利用体制整備推進研修会が中国四国・九州地域の公共牧場から約40名の参加を得て、鳥取県伯耆町の「大山まきばみるくの里」を会場に開催された。

 1日目は、農林水産省担当官から「公共牧場の現状と今後の展開方向」と題した講演が行われ、次に、主に公共牧場における“ふれあい機能”を中心とした討議と主催者から話題提供があった。

 また、「大山まきばみるくの里」内の加工体験施設「みるく工房」などで、修学旅行など体験学習の受入体制や牛乳・乳製品を活用したオリジナル商品、レストランメニューの開発方法などに関する担当者の説明に対し、活発な質疑応答がなされた。

 さらに、当日の研修では、参加者一同が大山を望む公共牧場が提供する牧歌的風景とみどりの空間による癒しの効果を体感した。

 2日目は、「集約放牧技術について」について、(社)日本草地畜産種子協会放牧アドバイザーの落合一彦氏から、良い(し好性が高く栄養価が高い)草地の提供による育成牛の発育促進が公共牧場の価値を決めるポイントであるという内容の講義が行われた。

 また、「公共牧場運営改善のためのポイント」について、北海道浦幌町模範牧場長の三宅英彰氏が講義し、特に、公共牧場運営状況の判断材料として「購入肥料費を預託料金何日分で回収しているか」について、是非検証すべきとの指導があった。

 午後からのグループディスカッションでは、参加者が4グループに分かれて、「公共牧場活性化のために取り組むべきこと」をテーマに討論を行ったが、参加者からは「時間が足りない」といった声が聞かれるなど、活発な討論が交わされた。

 その後の総合討論では、「公共牧場に関する各種調査はされているが、それを生かして、どうするのかといったステップに進んでいない」、「廃止したい牧場と増やしたい牧場の仲介役が必要」、「公共牧場の認知度を高めるため、マスコミ等への情報発信などPRが必要」、「人材育成の観点から、ふれあい交流牧場サポーター養成講座など、研修等への積極的な参加が大切」などの意見が報告された。技術的な事項として、西暖地域における放牧用適性草種導入の検討、草地管理・放牧技術を向上することなどが、牧場運営の事項として、預託牛の受入範囲を県や市町村といった単位で括ることなく、管外からも預託牛を受け入れるなど攻めの経営思考や預託牛に関する情報を畜主にフィードバックするなど信頼される公共牧場に向けたサービスの導入が必要との認識を共有して閉会した。


大山まきばみるくの里から大山を望み癒しの効果を体感する

グループディスカッションの様子

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