★ 機構から


乳製品の流通実態調査の概要について

酪農乳業部 


 当機構では、平成16年度まで主要乳製品の流通・消費の実態を把握するために、社団法人食品需給研究センターに委託して、「主要乳製品の流通実態調査」を実施してきた。

 17年度は同調査におけるバター、脱脂粉乳などの主要乳製品に、新たに複数の品目を加え「乳製品の流通実態調査」を実施した。本調査は、従来からの調査と同様、乳製品の供給者である乳業メーカーをはじめ需要者である食品製造業、外食業やホテルなどを対象とし、生産された乳製品の仕向先や需用者の用途の実態について調査したものである。

 17年度の調査結果として、バターおよび脱脂粉乳の業務別・用途別消費動向については前年度までの調査結果と同様の傾向であった。すなわち、工場で生産された乳製品の仕向先としては、バターでは「製菓・製パン」「小売業」「乳業(バターを生産している)」への仕向けが多く(69.2%)、脱脂粉乳は「乳業(脱脂粉乳を生産している)」「乳業(脱脂粉乳を生産していない)・アイスクリーム」「はっ酵乳・乳酸菌飲料」への仕向けが多く(72.1%)なっている。また、バター・脱脂粉乳を原料として製造される製品を用途別にみるとバターでは「小売用」「菓子・デザート類」「パン類」が多く(56.1%)、脱脂粉乳では「はっ酵乳・乳酸菌飲料」「乳飲料」「飲料」が多く(56.0%)なっている。

 以下に、「乳製品の流通実態調査」(平成16年度生産実績)のうち、主要乳製品であるバターと脱脂粉乳の調査結果の概要を紹介する。


バター

業種別消費量(推計)

 16年度における国内のバターの推定消費量は、89,400トン(機構調べの推定出回り量)とし、その業種別の消費量推計を行った結果は次のとおりである。

 バターの流通経路と業種別消費量(推計)を図1と表1に示した。乳業メーカーのバターの推定供給量は89,400トンでうち、社内消費仕向が13.9%、社外販売が86.1%となっている。社外販売量77,000トンのうち、需要者に直接販売されるのは11,500トン(全体の12.9%)にすぎず、一次卸売が65,000トン(72.7%)を占める。なお、二次卸売を経由するのは19,800トン(22.1%)となっている。一次卸とは主に大手乳業系列販社、乳製品卸、大手食品卸である。

図1 バターの流通ルート(平成16年度推計)

表1 バターの業種別消費量(16年度推計)

 業種別消費量についてみると、「製菓・製パン」が28,500トン(全体の31.9%)で最も多く、次いで「小売業」が20,900トン(23.4%)、「乳業(バターを生産している)」が12,400トン(13.9%)、「外食・ホテル」が10,000トン(11.2%)、「乳業(バターを生産していない)・アイスクリーム」が8,000トン(8.9%)、「加工油脂」が3,900トン(4.4%)、「調理食品」が3,100トン(3.5%)、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が500トン(0.6%)、「飲料メーカー」が300トン(0.3%)となっている。国産バター80,700トンの内訳は「製菓・製パン」が33.1%で、以下「小売業」が25.5%、「外食・ホテル」が11.9%、「乳業」が9.7%、「乳業・アイスクリーム」が8.9%、「加工油脂」が4.3%となっている。また、輸入バター8,700トンの内訳は「乳業」が52.9%、「製菓・製パン」が20.7%を占め、以下「乳業・アイスクリーム」が9.2%となっている。

図2 バターの業種別消費量の推移

 次に、平成12年度からの業種別消費量の推計値の推移を図2に示した。消費量合計の推移をみると、12年度から13年度にかけては83,100トンから90,900トンまで大幅に増加した。その後、14年度から16年度にかけては89,000トン台で推移している。

 業種別内訳の推移をみると、12年度から16年度にかけて「製菓・製パン」および「小売業」がともに20,000トン台の消費量となっている。次いで「乳業」の社内消費用仕向けが12年度においては16,000トン台、13年度および14年度においては17,000トン台であったのが、15年度には13,000トン台、16年度には12,400トンに減少している。一方、「乳業・アイスクリーム」では、12年度の2,100トンから毎年度増加し、16年度には8,000トンの消費量となっている。

用途別消費量(推計)

 バターの推定消費量89,400トンの用途別の消費量を推計してみると、「小売業」が20,900トン(全体の23.4%)で最も多く、次いで「菓子・デザート類」が15,000トン(16.8%)、「パン類」が14,200トン(15.9%)、「外食・ホテル」が10,000トン(11.2%)、「乳飲料」が5,500トン(6.2%)、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が5,400トン(6.0%)、「マーガリン類」が3,800トン(4.3%)、「乳等を主要原料とする食品」が3,400トン(3.8%)、「調理食品」が3,100トン(3.5%)、「アイスクリーム類」が3,000トン(3.4%)となっている(図3、表2)。

図3 バターの用途(平成16年度推計)

表2 バターの用途別消費量(16年度推計)


 国産バターの内訳は「小売業」が25.5%、「菓子・デザート類」が17.5%、「パン類」が16.5%、「外食・ホテル」が11.9%、「乳飲料」が5.0%、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が4.5%、「マーガリン類」が4.1%となっている。輸入バターの内訳は「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が20.7%、「乳飲料」が17.2%、「パン類」および「菓子・デザート類」がともに10.3%、「乳等を主要原料とする食品」が8.0%となっている。

 次に、平成12年度からの用途別消費量の推計値の推移を図4に示した。用途別内訳の推移をみると、「小売業」の消費量が各年度とも最も多くなっているものの、12年度から15年度にかけては22,000〜23,000トン台で推移していたのが、16年度においては20,900トンに減少している。次いで「菓子・デザート類」が13年度の15,400トン以降、14年度から15年度にかけては14,000トン台で推移していたのが、16年度においては再び15,000トンに増加している。また「パン類」は14年度の12,400トン以降、15年度は13,200トン、16年度は14,200トンと増加傾向で推移している。

 また新たな用途として、14年度から「飲料」に、15年度では「調製粉乳」にそれぞれ消費されていたのが、16年度においては「飲料」「調製粉乳」ともに消費されていない。

図4 バターの用途別消費量の推移


 
国産バターを原料とする乳製品の業種別製造実態
 

1 乳業メーカー

 国産バターを生産している乳業37社のうち、社内で消費しているのは18社であった。

 用途別消費量(乳製品の製造)についてみると、「乳等を主要原料とした食品」が34.6%で最も多く、次いで「乳飲料」が24.2%、「はっ酵乳」が14.5%となっており、以下「菓子・デザート類」8.5%、「アイスクリーム類」5.1%、「マーガリン類」5.1%、「加工乳」2.4%の順であった(表3)。
 

表3 国産バターの業種別用途内訳


2 アイスクリームメーカー

 回答のあったアイスクリームメーカー7社のうち、国産バターを使用しているのは6社であった。1社当たりの消費量は9.8トンで前年比 84.4%と減少している。用途は「アイスクリーム」が多く、次いで「菓子類」となっている。

3 はっ酵乳・乳酸菌飲料メーカー

 回答のあったはっ酵乳乳酸菌飲料メーカー15社のうち、国産バターを使用しているのは3社であった。使用企業1社当たりの消費量は42.1トンで前年比64.4%と減少している。主な用途は、「はっ酵乳」「アイスクリーム」「その他(生クリーム)」「マーガリン」「乳酸菌飲料」となっている。

4 加工油脂メーカー

 回答のあった加工油脂メーカー11社のうち、国産バターを使用しているのは9社であった。1社当たりの消費量は175.0トンで前年比 90.2%と減少している。主な用途は「マーガリン類」「その他(ホイップクリーム)」となっている。

5 製パン業

 回答のあった製パン業10社のうち、国産バターを使用しているのは9社であった。1社当たりの消費量は189.0トンで前年比88.5%と減少している。主な用途は「パン類」(98.5%)となっており、食パン、菓子パン、バターロールなどの練り込み用に使用されている。

6 製菓業

 回答のあった製菓業51社のうち、国産バターを使用しているのは41社であった。1社当たりの消費量は47.9トンで前年比95.8%と減少している。主な用途は「菓子類」が80.3%を占め、その他「アイスクリーム」「パン類」となっている。「菓子類」の内訳はケーキ類、洋菓子、焼き菓子、スポンジ菓子、パイ、クッキー、ビスケットなどとなっている。

7 飲料メーカー

 回答のあった飲料メーカー7社のうち、国産バターを使用しているのは4社であった。1社当たりの消費量は13.3トンで前年比83.2%と減少している。主な用途は「乳飲料」「飲料」となっている。

8 調理食品メーカー

 回答のあった調理食品メーカー12社のうち、国産バターを使用しているのは8社であった。1社当たりの消費量は12.4トンで前年比115.0%と増加している。主な用途は「調理食品」で、内訳は冷凍食品(コロッケ類、ソースなど)、総菜などとなっている。

9 外食産業

 回答のあった外食産業21社のうち、国産バターを使用しているのは14社であった。1社当たりの消費量は17.5トンで前年比107.6%と増加している。主な用途は「パン用」「調理用」「菓子・デザート類」「アイスクリーム」となっている。外食では調理用からデザートなどと用途が広い。

10 ホテル

 回答のあったホテル43社のうち、国産バターを使用しているのは42社であった。1社当たりの消費量は2.9トンで前年比 96.8%で減少している。主な用途は「調理用」が最も多く、次いで「菓子・デザート類」「パン用」となっている。

今後(直近2〜3年)の需要見通し

 供給サイドからみた国産バターの今後の需要見通しは、おおむね横ばいと予測している。一方、需要者の今後の消費見通しについてもおおむね横ばいとなっており、「増やす」と予測しているのは加工油脂、製パン、製菓、外食となっている。

 供給サイドからみた輸入バターの今後の需要見通しは、やや増加と予測している。
一方、需要者の今後の消費見通しは横ばいとなっているものの、業種、企業により差違がみられる。「やや増やす」が多いのは製パン、製菓、外食となっており、一方製菓では「やや減らす」と回答した企業もある。


脱脂粉乳

業種別消費量(推計)

 16年度における国内の脱脂粉乳の推定消費量は、188,000トン(機構調べの推定出回り量)とし、その業種別の消費量推計を行った結果は次のとおりである。

 脱脂粉乳の流通経路と業種別消費量(推計)を図5、表4に示した。乳業メーカーの脱脂粉乳の推定供給量は188,000トンで、うち乳業メーカーの社外販売が65.9%、社内消費仕向が34.1%となっている。社外販売量123,900トンのうち、需要者に直接販売されるのは25,700トン(全体の13.7%)であり、一次卸売が98,200トン(52.2%)となっている。また、二次卸売を経由するのは14,400トン(7.7%)となっている。一次卸売とは主に大手乳業系列販社、乳製品卸、大手食品卸である。

図5 脱脂粉乳の流通ルート(平成16年度推計)

表4 脱脂粉乳の業種別消費量(16年度推計)

 業種別消費量についてみると、「乳業(脱脂粉乳を生産している)」が 64,100トン(全体の34.1%)で最も多く、次いで「乳業(脱脂粉乳を生産していない)・アイスクリーム」が41,700トン(22.2%)、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が29,700トン(15.8%)、「製菓・製パン」が15,300トン(8.1%)、「調理食品」が11,000トン(5.9%)、「飲料メーカー」が8,400トン(4.5%)、「加工油脂」が7,500トン(4.0%)となっている。

 国産脱脂粉乳187,900トンの内訳は「乳業」が34.1%で、以下「乳業・アイスクリーム」が22.2%、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が15.8%、「製菓・製パン」8.1%となっている。また、輸入脱脂粉乳100トンは全量「乳業」となっている。

 次に、平成12年度からの業種別消費量の推計値の推移を図6に示した。消費量合計の推移をみると、12年度の188,900トン以降15年度まで170,000トン台で推移していたが、16年度には再び188,000トンに増加している。

図6 脱脂粉乳の業種別消費量の推移

 業種別内訳の推移をみると、いずれの年度においても「乳業」の社内消費用仕向けが最も多くなっているものの、そのシェアは12年度には46.0%を占めていたのが、その後15年度には32.8%まで減少したが、16年度には34.1%と減少傾向に歯止めをかけている。一方、「乳業・アイスクリーム」では12年度はわずか18,500トンであったのが、年々増加し16年度には41,700トンになり、そのシェアも12年度の9.8%から16年度においては22.2%を占めるに至っている。それに対し「製菓・製パン」および「飲料メーカー」においては12年度以降どちらかと言うと減少傾向で推移している。

用途別消費量(推計)

 脱脂粉乳の推定消費量188,000トンの用途についてみると、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が64,910トン(全体の34.5%)で最も多く、次いで「乳飲料」が28,810トン(15.3%)、「飲料」が11,600トン(6.2%)、「加工乳」が9,935トン(5.3%)、「菓子・デザート類」が9,700トン(5.2%)、「アイスクリーム類」および「パン類」がともに9,200トン(4.9%)、「乳等を主要原料とする食品」が8,710トン(4.6%)、「マーガリン類」が4,200トン(2.2%)となっている(図7、表5)。

図7 脱脂粉乳の用途(平成16年度推計)

表5 脱脂粉乳の用途別消費量(16年度推計)

 国産脱脂粉乳の内訳は「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が34.5%、「乳飲料」が15.3%、「飲料」が6.2%となっている。輸入脱脂粉乳の内訳は「加工乳」および「調製粉乳」がともに35.0%、「乳飲料」、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」および「乳等を主要原料とする食品」がそれぞれ10.0%となっている。

 次に、平成12年度からの用途別消費量の推計値の推移を図8に示した。用途別内訳の推移をみると、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」では13年度の58,000トン以降増加傾向で推移し、16年度は64,910トンとなっている。しかしながらそのシェアは15年度の37.1%に比べ、16年度は34.5%で2.6ポイント減少している。一方、「乳飲料」では12年度から14年度にかけて30,000トン台の消費量で推移していたのが、15年度には25,300トンに減少したが、16年度には28,810トンと再び増加しており、シェアも15年度に比べ16年度は増加している。

図8 脱脂粉乳の用途別消費量の推移

 また、「乳等を主要原料とする食品」は消費量としてはぞれほど多くないものの、着実に増加しており、シェアも高めている。それ以外では、14年度から「外食・ホテル」で、15年度は「調製粉乳」に消費されている。

 

国産脱脂粉乳を原料とする乳製品の業種別製造実態

1 乳業メーカー

 脱脂粉乳を生産している23社のうち、国産脱脂粉乳を社内消費しているのは21社であった。用途別消費量についてみると、「はっ酵乳・乳酸菌飲料」が32.5%で最も多く、次いで「乳飲料」が26.0%、「乳等主要原料食品」が13.6%となっており、この3つが主な用途となっている(表6)。
 

表6 国産脱脂粉乳の業種別用途内訳


2 アイスクリームメーカー

 回答のあったアイスクリームメーカー7社すべてが国産脱脂粉乳を使用している。1社当たりの消費量は100トンで前年比73.9%と大幅に減少している。主な用途は「アイスクリーム類」が86.0%となっており、内訳はアイスクリーム、冷凍デザート、冷菓、粉末飲料などとなっている。次いで「飲料」が13.0%となっている。

3 はっ酵乳・乳酸菌飲料メーカー

 回答のあったはっ酵乳・乳酸菌飲料メーカー15社すべてが国産脱脂粉乳を使用している。1社当たりの消費量は1,623トンで前年比94.7%と減少している。主な用途は「はっ酵乳」が59.0%、「乳酸菌飲料」が40.3%となっている。

4 加工油脂メーカー

 回答のあった加工油脂メーカー11社すべてが国産脱脂粉乳を使用している。1社当たりの消費量は379トンで前年比102.5%と増加している。用途は「その他」が80.3%で最も多く、その内訳はホイップクリームとなっている。次いで「マーガリン類」が16.0%となっている。

5 製パン業

 回答のあった製パン業10社 のうち、8社が国産脱脂粉乳を使用している。1社当たりの消費量は813トンで前年比99.8%とほぼ前年並みである。主な用途は「パン類」の練り混み用となっている。

6 製菓業

 回答のあった製菓業51社のうち、国産脱脂粉乳を使用しているのは28社であった。1社当たりの消費量は98トンで前年比86.4%と減少している。主な用途は「菓子・デザート類」が54.3%、「アイスクリーム類」が35.7%となっている。具体的な内訳はビスケット、クッキー、クラッカー、チョコレート、焼き菓子、パイ、ワッフルなどとなっている。

7 飲料メーカー

 回答のあった飲料メーカー7社すべてが国産脱脂粉乳を使用している。1社当たりの消費量は800トンで前年比103.5%と増加している。主な用途は「飲料」である。具体的には、缶コーヒーなどの飲料となっている。

8 調理食品メーカー

 回答のあった調理食品メーカー12社のうち、国産脱脂粉乳を使用しているのは10社であった。1社当たりの消費量は68トンで前年比92.8%と減少している。主な用途は「調理食品」が99.8%あり、その内訳はクリームコロッケ、ハンバーグ、そのほかの冷凍食品など用途は幅広い。

9 外食産業

 回答のあった外食産業21社のうち、国産脱脂粉乳を使用しているのは3社であった。1社当たりの消費量は213トンで前年比124.4%と大きく増加している。主な用途は「アイスクリーム類」が97.3%となっている。

10 ホテル

 回答のあったホテル43社のうち、国産脱脂粉乳を使用しているのは6社であった。1社当たりの消費量は0.2トンで前年比90.1%と減少している。主な用途は「アイスクリーム類」「調理用」「飲料」「パン用」「菓子・デザート類」となっている。

今後(直近2〜3年)の需要見通し

 供給サイドからみた国産脱脂粉乳の今後の需要見通しは、横ばいかやや減少と予測している。一方、需要者の今後の消費見通しもおおむね横ばいだが、飲料では堅調な見通しとなっている。

 供給者からみた輸入脱脂粉乳の今後の需要見通しは、回答企業1社であるが、横ばいと予測している。なお、需要者の見通しでも横ばいが最も多いものの、製パンでは「やや増やす」が多く、一方乳業では「やや減らす」が多くなっており、その理由として、国産脱脂粉乳への移行が挙げられている。

 


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