◎地域便り


山形県 ● 家畜ふん尿を肥料化し循環型農業にチャレンジ

山形県/岡部 友喜


 全農庄内本部が運営している「庄内ファームリサイクルセンター」は、畜産農家から排出される家畜ふん尿処理を目的に平成15年に建設された。

 施設は、エアレーション設備を備えた20の発酵槽と2カ所の混合槽からなる建物2棟と製品保管庫、管理棟の施設から成り、現在6名の作業員で稼動している。

 この施設の特徴は、豚尿を主体に処理していることである。現在、1日30トンの尿処理を行っている。管内の養豚農家戸数は90戸程度、このうち約60戸の農家がこの施設を利用している。飼養規模が小さい農家養豚が多いため(平均飼養頭数は常時母豚50頭)共同利用施設を建設することで尿処理コストを低く抑えている。

 豚尿は2台のバキューム車で収集、発酵培地(下水汚泥、家畜ふん(牛、鶏)、スーパーから出る野菜くずなどに豚尿を混合し、発酵・肥料化したもの)に混合後、ショベルローダで切り返しを行い肥料化(水分30%)している。切り返しは週1回、肥料化するまで5回の切り返しを行っている。

 尿処理を行うためには大量の発酵培地が必要となることから、これまでは発酵培地の確保を優先してきた。このため、肥料としての販売は今年度から本格化させ、年間1,500トンの肥料を販売する計画である。

 製品の形態は粉状のバラと袋肥料であるが、今後は散布作業性を考慮し肥料のペレット化についても取り組む予定である。

 この肥料は、原料に汚泥を使用しているため、汚泥発酵肥料として登録されている。残念ながら汚泥肥料に対する理解が十分得られているとは言えない現状にあるので、法的な基準の順守のほか、土壌保全や農産物の安全性確保を図るため、定期的な成分分析が欠かせない。

 JA、関係機関と連携しモデル展示ほを設置し、施用効果や土壌改良効果のデータを収集・分析するなどの普及対策が必要である。

 減化学肥料、循環型農業を推進していく観点からも肥料を利用する耕種農家や一般消費者の理解を得ることが重要であると考えている。


発酵棟内部

庄内ファームリサイクルセンター

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