◎地域便り


京都府 ●「ふれあい体験交流施設を活用した
      食育推進意見交換会」を開催

京都府/近畿農政局 畜産課 


 平成17年12月26日(月)、京都市内において、ふれあい体験交流施設を活用した食育推進意見交換会が、近畿管内牧場管理者、学校教育関係者、行政、畜産関係者など約70名の出席を得て開催された。 

 「新しい食料・農業・農村基本計画」および、「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」の中に、畜産物の正しい理解を深め、健全で安心な食生活の実現のため、教育関係機関と連携した畜産における食育の推進が盛り込まれた。また、従来から酪農などの生産現場には「ふれあい体験交流施設」(酪農教育ファームなど)の整備が進んでおり、これらは、畜産物に対する正しい理解を深める機能と共に、心(命)の教育にも寄与するものである。

 近畿農政局においても、「食育戦略プロジェクト」の一環として、これら「ふれあい体験交流施設」の紹介と併せ、ふれあい体験交流施設の関係者と、牧場体験に関心のある教育関係者により、教育関係者のニーズと牧場の対応について相互に理解を深めていくため、今回意見交換会を開催した。

 意見交換会では、話題提供として、ホールアース自然学校代表広瀬敏通氏より、「いただきます」から「ご馳走さま」の演題で、飼うこと(命を育てること)、命を食べること、そしてその教育的効果について、ふれあい牧場の役割は大きなものが期待されるなどの基調講演があった。その後、事例発表として、(1)「酪農教育ファームについて」(酪農体験を通して食と命の学びを支援する)(社)中央酪農会議小泉酪農理解促進室長、(2)「酪農教育ファームを実践して」弓削牧場弓削代表、(3)「ふれあい牧場を運営して」(有)丹後ジャージー牧場平林代表、(4)「ふれあい体験交流施設を利用して」、大阪府能勢町立久佐々小学校熊谷教頭よりそれぞれの立場での発表をいただいた。

 パネルディスカッションでは、牧場利用の立場として熊谷教頭が「学校では、鶏など動物を飼育したいが、子供も忙しく、休日やアレルギーを持っている子供たちもいたりして、飼育は大変難しい。牧場でのふれあい体験や飼育の話などをしていただいて、大変ありがたいと思っている。」

 牧場管理者の弓削代表からは、「自分で食べておいしくて安全な乳製品を、『おすそわけ』という気持ちで、商品にメッセージを込め食卓を楽しくしたいと、思っている。」

 また、同じく平林代表からは、「牧場の現場を見ていただき、牛が何を食べ、どう暮らしているのか、そして、生産している人や畜産物を見てほしい。」

 小泉室長からは、「中央酪農会議でも、先生方の酪農体験をしていただくようなことを考えている。」

 まとめとして広瀬座長より、「食育基本法は推進法であり、どんどん進めることが重要であり、やればやるほど良くなる。子供たちは我々とは違い、食生活と食に対する感じ方により成長している。大事な取り組みが始まったという意識をお持ちいただき、アクションに移して欲しい。」との発言があった。

 近畿農政局では、今後も関係団体と連携してふれあい牧場の現場で、このような意見交換会を開催していきたい。 



ホールアース自然学校広瀬代表の講演

講演者・パネラーによるパネルディスカッション

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