酪農乳業部
はじめに 当機構では、加工乳・乳飲料等の生産実態を把握するために、財団法人経済調査会に委託して、「加工乳・乳飲料等の生産実態調査」を毎年度実施している。
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(注)1
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本調査で企業区分は次のとおりとする。大手3社は明治乳業、森永乳業、日本ミルクコミュニティをいう。農プラ系は、主に酪農生産団体が出資する乳業会社、中小系は大手3社・農プラ系を除くその他の乳業会社をいう。 |
2 | 乳飲料には大きく分けると牛乳をベースとして牛乳の栄養分や風味をそのままに、カルシウムや鉄、ビタミンやミネラルなどの栄養分を強化した白い乳飲料(白物乳飲料)と、コーヒーや果汁などの入った色のついているもの(色物乳飲料)がある。本調査では風味にかかわらず、白いものを白物乳飲料、色のついているものを色物乳飲料に区分している。 |
(2)はっ酵乳
はっ酵乳全体の生産シェアは乳業系が78.4%となっており、非乳業系のシェアは21.6%と低い。「プレーン」は乳業系のシェアが90%を超えており、「フローズン等」は非乳業系のシェアが62.1%と高くなっている。(図2)
図 2 はっ酵乳の生産シェア(平成16年度)
(注)3
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本調査で、乳業系・非乳業系に区分する場合、乳業系は牛乳処理場を持っている会社、非乳業系は牛乳処理場を持っていない会社とする。 |
4 | はっ酵乳の区分は次のとおりとする。「ハード」は寒天やゼラチンなどで固形化したもの、「ソフト」は果肉等を加えた流動性のあるもの、「プレーン」は牛乳・乳製品をはっ酵させたもの、「ドリンク」はプレーンヨーグルトを液状化したもの、「フローズン等」はフローズンヨーグルトや上記以外のもの。 |
(3)生クリーム等
生クリーム等全体の生産シェアでは乳業系が80%以上を占め、非乳業系のシェアは低いが、乳脂肪18%未満では、非乳業系の生産シェアが62.8%と高くなっている。(図3)
図 3 生クリーム等の生産シェア(平成16年度)
(1)加工乳
「低脂肪」タイプは、乳脂肪率が0.8%〜1.0 %、無脂乳固形分率は9.3%〜10.0 %に集中している。「濃厚」タイプは、乳脂肪率4.1%〜4.4%、無脂乳固形分率8.6%〜8.9%に集中している。「その他」(「低脂肪」「濃厚」タイプ以外のもの)では、前年度調査はバラツキがみられた乳脂肪率が、今回は3.3%〜3.6%に集中しており、無脂乳固形分率は8.3%〜8.5%となっている。(図4)
図 4 加工乳の成分(平成16年度)
(2)乳飲料
成分を比較すると、「色物乳飲料」より「白物乳飲料」の乳脂肪率が高く、無脂乳固形分率についても同様の傾向がみられる。
「白物乳飲料」の乳脂肪率は1.7%〜2.4%、無脂乳固形分率は8.8%〜9.0%となっている。企業区分別に比較すると、大手3社の「加工乳(平均)」の乳脂肪率は、「白物乳飲料」と比べて高くなっている。また、中小系では「白物乳飲料」の乳脂肪率が「加工乳(平均)」より高くなっている。(図5)
図 5 白物乳飲料と加工乳(平均)の成分(平成16年度)
(1)加工乳
乳脂肪率ごとに生産量をみると、「低脂肪」タイプの製品が全体の75.8 %を占めている。企業区分別にみると大手3社以外は「低脂肪」タイプの製品が多くなっている。(図6)
図 6 乳脂肪率ごとの生産量(加工乳)
図 7 原材料使用割合の推移(加工乳)
加工乳は大手3 社の生産量が大きく減少し、農プラ系の生産量が増えるも全体的には減少傾向にある。特に「濃厚」タイプの生産量の減少は、「市場の縮小傾向」や「牛乳への移行」のために、今後も減少するとの見方が支配的である。
(2)乳飲料
乳飲料全体では、乳脂肪率0.5〜1.0%の割合が高く、同乳脂肪割合は「色物乳飲料」についても全体の半分以上を占めている。
「白物乳飲料」は乳脂肪率1.5〜2.0%の生産量が多いが、企業区分別にみると、中小系では2.5〜3.0%の製品が多くなっている。(図8)
図 8 乳脂肪率ごとの生産量(白物乳飲料)
白物乳飲料の過去4カ年の原材料使用割合の推移をみると、生乳の使用割合が年々減少している。また、脱脂濃縮乳は平成16年度と平成13年度を比較すると4%程度増加している。(図9)
図 9 原材料使用割合の推移(白物乳飲料)
乳飲料の生産量は「色物乳飲料」のコーヒータイプとその他のタイプ(フルーツタイプ以外)、「白物乳飲料」の生産量が前年度に比べ増加している。生産見通しについては「製造を中止」したり、「新商品の発売がない」ため、生産量は横ばいもしくは減少との見方が主流である。
(3)はっ酵乳
乳脂肪率ごとの生産量では、3.0〜3.5%の製品が全体の37.0%と最も多いが、非乳業系だけでは0.5%未満の製品が40%程度を占めている。タイプ別にみると「ドリンク」の乳脂肪率は0.5〜1.0%、「プレーン」は3.0〜3.5%に集中している。(図10)
図10 乳脂肪率ごとの生産量(はっ酵乳)
はっ酵乳の生産量は、やや減少傾向にある。「プレーン」は「ダイエット効果があると取り上げたマスコミの影響」で増加するという見方もあるが、はっ酵乳全体では横ばいで推移していくものとの見方が強い。
(4)生クリーム等
乳脂肪率ごとの生産量をみると、乳脂肪率18%以上では、42.0〜48.0%の割合が一番高い。そのうちの大半は、「業務用」である。(図11)
図11 乳脂肪率ごとの生産量
(生クリーム等・乳脂肪18%以上)
生クリーム等については、「生産中止」や「低価格競争」のため減少する要因もあるが、「新製品の導入」で維持し横ばいの状態が続くという見方が多い。
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